畳の上に、裸のまま並んで横たわっていた。
囲炉裏の火がぱちりと弾ける音が、夜の静けさを際立たせる。
熱を帯びた呼吸がようやく落ち着いてきても、肌と肌はまだ離れられない。
実弥の腕に抱かれたまま、天井を見上げて小さく呟いた。
「……静かだね」
言葉と一緒に吐き出した息が、白くほどけていく。
絡めた指先は、互いの温度を確かめるように離れないままだ。
しばしの沈黙ののち、思いついたように囁いた。
「ねぇ……混浴もあるんだって」
その瞬間、実弥の体がぴくりと反応する。
視線を逸らしながら、ぎゅっと腕の力を強めた。
「……っ!」
くすっと笑いながら、からかうように続ける。
「でも、混浴ってことは……他の人もいるってことだね」
その言葉に、実弥は勢いよくこちらを抱き寄せた。
吐息が耳元にかかり、低い声が胸の奥まで響く。
「混浴なんざ絶対ダメだ。浴衣も湯上がりも……俺以外に絶対見せんな」
その声音には、嫉妬と独占欲があからさまに滲んでいた。
思わず目を瞬かせ、けれどすぐに微笑みがこぼれる。
「……じゃあ、お部屋の露天風呂、一緒に入ろ」
一拍置いて、実弥は照れ隠しのようにそっぽを向き、
「……最初からそう言え」
と不器用にぼやいた。
頬を赤く染めた横顔が可愛くて、胸に顔を埋めてしまう。
囲炉裏の火が再びぱちりと弾け、
夜の静けさの中、ふたりの体温だけが寄り添っていた。