映画「Winny」を見てきたので、エンジニア目線での感想です。

 

 

あらすじ

「Winny」は、日本のインターネット上で広く利用されていたP2Pファイル共有ソフト「Winny」を巡る、著作権侵害事件を題材にした日本映画。


稀代の天才プログラマー・金子勇が不当な逮捕から無罪を勝ち取るまでの7年の道のりを描いた迫真のヒューマンドラマだ


警察庁は、日本中で著作権侵害事件が頻発する中、Winnyを悪用して違法uploadを行う者達を追い続けます。

そしてついに、金子がWinnyの作者である「47氏」として知られる人物であることを突き止め、彼を逮捕するために不当な捜査手法を用い、画策を図るのです。

 

逮捕された金子を弁護するのはサイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光。

 

彼は事件の概要を知るなり、無罪でないとおかしい、法治国家としての恥であると憤慨し、金子と共に無罪を勝ち取るために奔走する。


東出さんは素敵な役者さんだと感じました。

色々な事を経験したからこそ(❓)人間性の深みが増したように思う。

 

事件の問題点

金子氏を逮捕した「京都府警サイバー犯罪対策課」。

本事件の逮捕の経緯にはかなりの疑問点が残る。

「本人の自白や同意なしに供述書を無理やり書かせる」「違法アップロードを一切していなかった金子に対し、逮捕はできないと認識していながら、強引に任意同行を促した」など、悪意ある捜査手法が用いられている。

「シロでもクロにする」という気が満々で、有罪ありきの逮捕劇だったと感じる。

 

 

事件化の社会的背景

映画「Winny」は、2004年に起きた実際の「Winny事件」を元にしています。

この事件は、Winnyを通じて違法に音楽や映像作品をダウンロードすることが蔓延していたことから、著作権侵害の被害が拡大していた時期に発生しました。事件の背景には、P2Pソフトウェアの普及によって、著作権侵害が横行していたことがあります。

この事件は、Winnyを運営した「47氏」こと金子氏を逮捕し、Winnyの利用者を摘発することで、著作権侵害事件の解決を図るため躍起になっていた警察の取り組みを象徴的に表しています。

違法uploadは明確に犯罪である。

だが、違法に使用される以外にも、有効な使用方法がある有能なソフトウェアを開発した事は犯罪なのだろうか?

実際に弁護士の壇さんの言葉に「高速道路で速度違反をする人間はいる。そんなことは誰もが知っている。そのうえで道路を作る人間は罪に問われるのか?」といった言葉や

劇中においても「包丁で人を殺したら犯罪。では、この鋭利な刃物を作った職人は罪に問えるのか」と物語っている。

これを警察、検察が理解していなかったはずはない。

あらゆる技術者が注目した点だろう。

 

 

エンジニアとしての感想まとめ

この事件後、IT分野における最先端技術の開発が鈍くなったことは言うまでもない。

そもそも新しい技術というものは、善悪の概念などなく若干の危うさを秘めたものである。

どんな技術も「使う人」であり、使い方を明確に示す者がいない状態だからだ。

東京大学大学院情報理工学系研究科助手を務めるほどの天才を、プログラミングの世界から7年物長期間隔離したこと。

(技術のサイクルが異常に早いIT分野での7年間は致命的といえる)

その他の日本中の技術者が、最先端技術に対してフロンティア精神が減退した要因があるのではないだろうか。

その結果が、現在のIT後進国日本を形成したと思っている。

日本という国は慎重な国民性だ。

イノベーター理論でいうところのラガードに分類すると思う。

 

 

今日のWord イノベーター理論

 

※イノベーター理論とはserviceに対してどれほど積極的に取り入れるかと表したもの。

1.イノベーター(革新者)

2.アーリーアダプター(初期採用者)

3.アーリーマジョリティー・オピニオンリーダーを押さえるべき(前期追随者)

4.レイトマジョリティ(後期追随者)

5.ラガード(遅滞者)