サハラ砂漠2 | 旅人日記

サハラ砂漠2

Sahara2-1 朝6時半頃起床。今日も快晴だ。
まだ日の出前だが、空はすでに薄ら明るくなってきている。
天幕から離れた場所で大便をかましてから、砂丘の上に登って朝日の到来を待つことに。
ちなみに当然ながら砂漠の中にトイレなどない。
適当な場所で済ませて、あとは砂を被せてはい終了。いたって簡素である。

7時20分。
昨夜アリじいがいっていた通りの時間に朝日が昇る。
昨日の夕陽と同様で、雲が少ないため朝焼けにはならないけれども、ご来光というのは何となく神々しいものだね。
今日もいい一日になりそうだ。

パンにクリームチーズとマーマレードジャム、そしてお茶、デザートにミカン、といった軽い朝食を済ませてから出発。
今日も砂漠の中を南へ南へと進み、夜は砂丘の端にあるというベルベル人の住居に泊まるとのこと。
昨日同様にじいさんが手綱を引くラクダの背に揺られながら、ゆっさゆっさとのんびり進む。

Sahara2-2 ラクダは時々立ち止まり、ところどころに生えている草や潅木の葉をむしゃりむしゃり。
見ていると、食べられる草とそうでない草を選んで食べているようだ。

途中でフンコロガシの一種っぽい昆虫が、砂地の上を這っているのを見かけた。
ベルベル語でザベ、アラビア語でハムフース、フランス語でスカラベというらしい。
古代エジプトの装身具などでよく見るずんぐりむっくりのスカラベとはだいぶ形が違う。

数時間後に砂丘の端が見えてきた。
肌色の砂地の途切れた先には黒々とした荒地が広がっていて、そのさらに奥の方には切り立った台地が長く延びているのがわかる。
「あの台地のところまでがモロッコ。あの先はアルジェリア。国境まではここから40キロくらい」とのこと。
「アリじいは遊牧民だった頃、アルジェリアの方にも行ったことがあるの?」
「もちろん。もっと先のニジェールまで行ったこともある」
ニジェールまで??数千キロはあるだろうに。ホントかよ、おい・・・(笑)

Sahara2-3さらに数時間後、砂丘の地区を出て、黒い荒野に出る。
ベルベル人の住居だという土で出来た小さな家が数軒あり、その内の一軒にお邪魔する。
家と家はそれぞれ100メートルくらい離れていて、各々に羊を入れる小屋がついている。
今日俺らがお世話になるのはアブドゥルというベルベル人のおっちゃんの一家が暮らす家だ。
アブドゥルの他、おばちゃん二人、若いにいちゃん一人、女の子二人の六人家族のようだ。
当然ながら電気も水道もない、昔ながらの砂漠の生活をしている。

おばちゃんたちがお茶を入れてくれ、アリじいが作ったサラダとパンで昼ご飯。
アリじいは相変わらず食が細いので、大量のサラダのほとんどが俺の方に回ってきた。
もったいないからできるだけ食べようとしていたんだけれど、それでも少し残してしまった。
そしたらじいさんはその残ったサラダをアブドゥル一家の方に持っていくじゃないか。
ありゃ、彼らにあげるのなら無理して食べずにもっと残してあげればよかったな・・・(苦笑)。

食後は羊小屋で飼われていた仔山羊の写真を撮ったり、周辺を歩いて散策しながら放牧されているラクダを追いかけまわしたり、女の子たちとベルベル語で遊んだりしながら過ごす。
夕暮れ時にはまた砂丘の方まで歩いて行って、写真を撮ったりしていたのだが、残念ながら夕陽自体は丘の向こうに隠れてしまいほとんど見ることができなかった。

Sahara2-4 晩飯はおばちゃんたちが作ってくれたクスクス。
今までいくつかの食堂で食べたクスクスよりもずっと美味しかった。
どこの国でもそうだけれど、やはり家庭料理が一番いけるねぇ。
今度はもっと残そうかとも思ったけれど、美味しかったので結局完食してしまった。

こういう土地では基本的に早寝早起きであるものだ。
夜9時ころにはランプを消して就寝。
夜中に一度小用に起きたけれど、空を見上げたら月がやや霞んでいた。
風も多少出てきているようだ。
明日は曇りか雨になるかもしれないなぁ・・・。