フェズ3 - 足長おばさま登場 | 旅人日記

フェズ3 - 足長おばさま登場

Fez3-1 最近は宿に引篭もっていたためにネットもほとんどしていなかったのだけれど、先日久々にネット屋にいってみたらホームーページの方の掲示板にちょっとびっくりの書き込みが。
2年前の8月にペルーのクスコで出会ったカヨコおばさまがモロッコに短期でやってくるとのこと。
しかも日程では28日からここフェズに3泊する予定のようなのだ。

カヨコさんは日本の某大手企業に勤めるかなりのお金持ち女性。
クスコで会った時は俺らだけだったら絶対入れないような高級レストランで仔アルパカの料理などをたらふくご馳走になってしまったことがあるのだ。
今回も会ったらたぶんご馳走になっちゃいそうだなぁと思いながらも、いや正直にいえば内心密かに期待しながら、彼女が予約しているという新市街の高級ホテルに行ってみた。

運良くちょうど彼女がマラケシュから飛行機でフェズに着いてホテルにチェックインしようという時に捕捉。
まさか俺が受付で待ち構えているとは思っていなかったようで、彼女はかなりびっくりしていたようだ。
しかも俺はその時もジュラーバ姿だったので、目の前に立っていても最初はモロッコ人にしか見えなかったらしい(笑)。
その夜はそのまま旧市街の方まで歩いて案内し、俺らの宿の近くで一緒に晩飯を食べて(結構遠慮してたんだけど、当然のようにおごってくれた^^;)、次の日からメディナの中を案内することに。

Fez3-2 んで本日、メディナの入口ブー・ジュルード門の前で待ち合わせて、タカハシさんも一緒に3人でいざ迷宮探索に出発。
空には多少雲があるものの、ここ一週間の悪天候に比べればかなりまともな方だ。
これだけ晴れていれば観光日和として十分であろう。
朝から晴れ間が見えているとそれだけで気分が全然違ってくる。
昼間でも薄暗いメディナの中に入ってしまえば、写真を撮るのに天気はそれほど影響しないのだが、それでも雨が降っていないというのは大きいものだ。
カヨコさんを案内するという大義名分もあって、今日は久しぶりに朝から部屋を抜け出すことができた。

案内役を買って出たものの、フェズの大迷宮はすでに10日近く滞在している俺らですら迷いまくり。
まぁ10日間ほとんど宿に引篭もっていたのだから当然といえば当然なのだが(苦笑)。
正直まるで自信はなかったのだが、幸いあまり迷うことなくメディナ内の見所を一通り見てまわることができた。
前回偶然辿り着いただけのタンネリや、自力で辿り着けずに人に聞きまくりながらようやく発見できたアンダルース・モスクも、今回はほぼ最短距離で到達できたと思う。
我ながらなかなかの案内人ぶりなんでないかい。
この調子ならフェズの偽ガイドとしても十分やっていけるんじゃないか?
日本人観光客を捕まえて、メディナ内を案内しながら絨毯屋や土産物屋に連れ込んで手数料でしこたま儲ける・・・うーん、最低だな、そりゃ^^;
どれだけ落ちぶれたとしても同じ日本人をカモにするようになったら人間終わりだもんなぁ。

それにしても、すでにそれなりに周ったはずだと思っていたメディナの中も、改めて歩いてみると今まで気がついていなかったいろいろな物が発見できた。
肉屋の軒先にぶらさがるどでかいラクダの首や(食用として普通に売っているのにかなり驚いた)、もしかしてこれも食うのかと思いきや「魔よけだよ」といって生きた亀を売る店(甲羅模様が縦に5つ並んでいるのがイスラム教の聖なる数と同じで縁起がいいらしい)などなど。
ナツメ椰子を売る店では試食に値段の高めのものを一つ頂いたが、これがまた胡桃の実と一緒になっていてかなりの美味。
うーむ、このメディナもまだまだ奥が深そうな所だねぇ。

Fez3-3 帰りがけにタカハシさんも露店でジュラーバを購入して、色違いながらも俺とおそろいの格好になった。
民族衣装の着こなしは俺もかなり自身があるのだけれど、このジュラーバでははっきりいって負けた気がする。


タカハシさん、あなた似合いすぎです。現地人と区別つきません。

一緒に道を歩いていても、周囲に溶け込みすぎているためつい見失ってしまうくらい。
すぐ隣にいたにもかかわらず、あれ?どこ行っちゃったんだろうと、何度振り返ったことか。
俺の中南米がらみの友人知人には、タカハシさんのことも知っている人が多いと思うけれど、このランプを持つ魔導師姿を写真を見たらみんな爆笑するんじゃないかな。
もう似合いすぎでしょ、コレ(笑)。

夜は新市街のレストランでということに。
タクシーで目的のレストランに乗りつけ、テーブルにケバブやタジンを並べて3人で楽しくお食事。
メクネス産のワインまで付けた豪勢な晩餐だ。
前菜用に「パスティラ」という料理を頼んだのだが、シナモン入りのシュガーパウダーを振り掛けたパイ生地の中に甘く味付けした肉が入っている品で、見た目からは想像しがたい不思議な味だった。
意外とくせになる味で、安食堂ではまずお目にかかれない料理なのが残念だけれど、機会があったらまたどこかで食べてみたいなぁ。

食事代は俺らにとっては数日分の宿代と食事代に相当する金額でございましたが、カヨコさんが気前よく現金一括お支払い。
別れ際には俺らが旧市に戻るためのタクシー代まで頂いてしまいました^^;
今日は全くお金を使っていないにもかかわらず、なんとも贅沢な一日でございました。
うーん、俺もタカハシさんもそれなりにいい歳こいたオヤジなんだけど、こんなにも甘えてしまってよかったのだろうか・・・^^;