ロライマの奇跡 ~最終日~ | 旅人日記

ロライマの奇跡 ~最終日~

Roraima8-1 今日は麓のパライテプイの村まで歩いて戻るだけなのだが、緩やかな登りが続く道のため、少々きつい行程であった。
来た時よりもやや雲が多く、特に見るべきものはない道なので写真も撮らずにさくさくと進んでいた。

それでも途中二匹の珍しい生き物に出くわすことが出来た。
一匹目はサソリ。
体長5センチのなかなかの大物である。
これほど見事なサソリを野生で見るのは初めてだ。

二匹目は蛇。
最初全然気づかなかったのだが、水辺の近くを通りかかった時、
「うっわ!マサさん、下見て!」
という、すぐ後ろを歩いていたユキさんの声で地面を見たら、めちゃくちゃ気色の悪い蛇が、みみずのような毛虫のような動きで這っているではないか。
頭だけ白くて身体は黒く、気持ち悪いまだら模様。最初は巨大なヤスデか何かだと思い、鳥肌が立ちまくりだったけど、よく見るとチロチロと舌をだしているので、蛇の一種なのだろう。
爬虫類ならなんともない俺だが、蛇だとわかってもその動きはなんとも気色の悪いものだった。
後でホセにその写真を見せたら、毒蛇ではなく、原住民は酒に漬けて薬用に使うという貴重な存在だったらしい。
そうだったのか。捕まえてポーターにチップとしてあげれば喜ばれたかも知れないなー。

Roraima8-23時間半ほどで村に到着。
ホセの親父が来ていて、軽い昼食後に親父さんの運転でサンタエレナの町に帰還。

残りのガイド料の支払いを済ませ、ホセと別れる。
別れ際に各自が彼に渡したチップは10USドルずつ。
食費やポーター代が予想以上にかかったらしく、彼自身が期待したほど今回の収入は多くなかったようで、こちらも少々気の毒ではあったが、3人とも貧乏パッカー身分なので出費は出来る限り抑えたいところなのだ。
チップをあまり多くあげられなかった代わりに、他の旅行者たちにホセを雇うよう勧めることを約束する。
今回の旅は本当に大満足で終えることができたのだが、それも彼の力によるところが大きい。ちょっとお調子者で、水筒もタバコもヘッドランプすら自分のものを持ってこなくて俺らから借りまくりだったが、ガイドとしての仕事はきちんとこなす男である。もしこの日記を読んでロライマに登ってみたくなった人は、是非彼を雇っていくことをお勧めする。
連絡先は、えーっと・・・っておい、ホセお前、連絡先伝えるのを忘れてるよ・・・。
ま、そんなヤツではあるが、一つこのホセ・エンリー(Jose Henrry)に清き一票を俺からもよろしゅう。サンタエレナの町で誰かに聞けばきっと出会えると思う。
ちなみに次回からは6日コースで230USドル、8日間コースで260USドルで案内してくれるそうだ(ボリバーレス払い可)。

Roraima8-38日間の日程が全て終了。
宿の下の不味いと評判の中華レストランで祝杯をあげる。本当はもっとまともな店であげたかったのだが、他の店に比べればまだマシな方だったのだ。
それにしてもやっと文明圏に帰ってきたというのに、登山中の方がまともな飯を食べていたような気がするなあ・・・。


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細部をだいぶはしょったつもりでも、読み返してみたらかなりの長話になってしまった・・・。
全部読んでくれた人、お疲れ様でございます。

え?しょっぱなの妙な前振りは何だったのかって?
あれはわかる人にはわかる某京極夏彦作品のパロディにすぎないので気にしないでやっておくんなまし。
ホントは最初はあのままSF小説調に進めて、マワシをつけた47匹の恐竜を登場させようかとも思っていたんだけど、結局フツーの日記になっちまった。

最後に、この日記に登場するユキさん、トモ君、ロライマ本当に楽しかったねぇ!
道中色々とお世話になりました。この場を借りて感謝します!
二人ともこの先もよい旅を続けられることを祈りつつ。
ではまた!