ロライマの奇跡 ~7日目~ | 旅人日記

ロライマの奇跡 ~7日目~

Roraima7-1 いよいよ下山である。初日のキャンプ場までいっきに下るのだ。
移動距離としては一番長い日だったが、体調も回復してきたし、ほとんど降り道ばかりなのでそれほどきつくはない。
とはいうものの、滑りやすい岩場も多く、あせって下って関節を痛めたり、足を挫いたりしないように慎重に進む。

ホセは今日も絶好調だ。鼻歌交じりに軽快に進んでいく。
何気なく世間話をしているうちに、各国からの旅行者の違いについての話になった。
「日本人が一番好きだよ。我慢強いし、静かだし、いつも笑顔だしね。二番目がスイス人、次がドイツ人かな」とホセ。
韓国人や中国人は?日本人と見た目は変わらないだろう?
「韓国人の相手はしたことがないなー。でも、中国人はあるよ。もう日本人とは文化が全く違うね、ヤツらは」
どう違うんだい?
「何をいうにも命令口調でね。あれしろこれしろって偉そうな連中だよ、ホントに」
ふーん、そうなんだ。
「最悪なのはなんといってもイスラエル人。俺が他のガイドよりもずっと格安な値段を提示しているのにもかかわらず、必ず『もうちょっとまけてくれよ』って値切ってくるんだぜ。ヤツらの相手をする時はいつも、ガソリンにいくら、食料これこれにいくら、ポーター代にいくら、って感じに全部明細に書いて見せてやらなきゃならないんだ。せこい連中さ。それでいて最後には『最悪の登山だった』なんてことをほざきやがる。最低だよ。他のガイドたちに聞いてみな。誰もがイスラエル人の相手なんてまっぴらごめんだっていうから」
よく耳にする話だなー、それは。

んじゃアメリカ人は?
「アメリカ人はそうだな・・・これさ」
といってホセは自分の股間を指差した。
「これ以下の連中だよ。ガハハハハハ」
その瞬間俺がにっこり笑ってホセと熱い握手を交わしたのはいうまでもない。

Roraima7-3 途中ちょこちょこ雨に降られはしたものの、無事キャンプ地に到着。
ビールで乾杯後、川で洗濯したり水浴びしたりして過ごす。
夕方に集団で飛ぶ鸚鵡の群れを見ることが出来た。野生の鸚鵡を見るのも初めてだったが、しかもそれが群れている姿を見れるとは・・・。飛び方は不恰好だが、鴛鴦のようにつがいになって飛んでいく様はなんとも微笑ましいものだった。 Roraima7-2