私が大腸癌に罹患しているのを知ったのは70歳も過ぎてサラリーマンを退職した後でした。大腸内にこぶし大の癌が出来ていて10年物位ではないかと思えました。10年も以前と言えばサラリーマンも現役で、ブログでも紹介している通りに会社内に自分の会社があるような形であったので、業績向上を目指して週一で某社の癖の或る課長に付き合って夜遅くまで酒を飲んでいた生活を送っていました。尤も、私はアルコールを受け付けない体質なので薄い水割りを啜るようなものでしたが、それでも深夜にまで飲食が及んだので癌が進行したのかと想像をしています。しかしながら、癌が進行しても体調が悪くなることもなく極めて健康な毎日を送っていて、癌が体に対して体調変化をもたらすようなことはありませんでした。唯一の変化と言えば、ある時期からやたらヨーグルトが好きになり毎晩かなりの量を食べていましたが、それは癌の肥大化によって大腸内を通る便が通りにくくなるので便を柔らかくする為に癌細胞が要望したものと思います。癌細胞を切除した後は全くヨーグルトを食べるという習慣は無くなったので、そういう理由であったのかと後追いで知ったということでした。

 

私が大腸癌に罹患しているのを知るきっかけとなったのは病院での血液検査でした。医師から鉄分が異様に少ないので内科で診察を受けるようにとのアドバイスがあり、内科でCT検査をした結果大腸内に大きな影があるのが発見されて、内視鏡検査で大腸癌が確認されたのでした。その後、半日以上も掛けて大きな大腸癌摘出手術を受けたものの、長い間に大腸癌が肥大していく途上で肝臓や肺に転移していることも分かり、転移した大腸癌医療を始めるようになったのでした。

これが抗癌剤治療の初めでした、毎月点滴4時間行い同時に2週間服薬をしました。毎月の診察時、腫瘍マーカーと言われる数字を見ながら上がった下がったと一喜一憂をしました。薬は分子標的薬という効果がありそうなものを服用するという説明でした。この薬なら転移した大腸癌も無くなるのかなと期待をさせましたが、結論から言えば効果は全くありませんでした。この抗癌剤治療は体に大きな負担をかけるもので、皮膚の糸が黒くなったり、顔の皮膚は赤くはれてぼろぼろになりフランケンシュタインの顔のように変化しました。抗癌剤の副作用として頭髪も抜け、薬に体力が奪われるので歩くこともままならず一日中寝ていることが多くなるという毎日を1年間過ごしました。

腫瘍マーカー値は、最初順調に下がって行きましたが、1年後には再び上昇に転じて効果が無くなったように思えました。医師から、薬を飲んでいるので腫瘍マーカー値が抑えられており、抗癌剤治療を続けるようにと説明を受けましたが、私の感想では医師は患者の体力が続くうちは抗癌剤投与をしようとしているとか思えなくて、抗癌剤治療の中止を申し出ました。以後は定期的に転移した癌の観察をするという方針にすることにしました。

 

抗癌剤治療を中止したので体は直ぐに復調するのかと思っていましたが、抗癌剤の副作用は中止してからも何度も襲ってきて体調不良になる時があり、抗癌剤の恐ろしさというものを感じました。副作用は抗癌剤治療中と同じで体調不良になり寝込むというものでしたが、3カ月も波が押し寄せるように時々続いた後には軽度の副作用が出るくらいまでに少なくなりました。しかし、体全体の皮膚が黒くなったり顔の皮膚の赤くなっている状態は4カ月経過して薄くはなりましたが完全にはなくなっていません。頭髪も少し生えてきた程度です。抗癌剤の副作用で手足にしびれが残り、鍼灸院で治療をしてもらっている状態です。

4カ月経過して体力も少しずつ戻りつつあるものの、少しの散歩や買い物でも息が上がる状態で以前のの様な普通の体力に戻るには時間が必要かと思うこの頃です。

 

1年以上も抗癌剤治療を受けた感想としては、抗癌剤治療は効果のある人と無い人があるのではないかと感じた事です。私の抗癌剤治療も医師が途中で薬を変えたりしましたが、腫瘍マーカー値に変化はありませんでした。

病院の患者は常に新しい患者ばかりで、点滴を受ける治療室では私と同じ薬の点滴を受ける患者がいて、その患者は常に入れ替わっているように思えたからでした。癌治療の診察時、病院の待合場所で私と同じ抗癌治療を受けている人がいつの間にかいなくなったりしていました。

癌があると即死につながるような報道をしているマスコミにも疑問を持つようになりました。癌に罹患していても、内臓が機能を果たしている間は何ら問題が無いというのを自身で経験しているので、癌の罹患に対する認識を改めることが必要ではないかと思っています。抗癌剤治療を止めて4カ月経過しましたが、癌が体内に存在していても体調は復調してくるし、皮膚の黒色化も無くなりつつあり健康体に向かいつつあるのを感じています。

抗癌剤治療の問題を自身で体験したということになったと思いますが、高齢なので1年間の抗癌剤治療は効果も無く時間だけ経過して、やりたいことも出来ずに時間を消耗しただけの無為な時であったと感じています。