今回は、そのうちの竜神川を取り上げます。
まずは、いつもの通り、現在の地図を見てください。
見事に真直ぐなので、最初から人工的に作ったようにも見えます。しかも上流部は王子製紙(現在は王子マテリアと言う関連会社になっています)の工場内になるので、源流部を確認することも不可能です。
王子製紙の前身「本州製紙」の工場ができたのは1959(昭和34)年ですので、工場内の流れが現在と同じです。しかし、途中から東に向きをかえ星が浦川に合流するまでの間は、人間の手が加わっていません。
左上の辺りは貯木場です。本州製紙は、1996年に王子製紙と合併しましたが、鳩のマークだったと思います。このマークを付いた西洋紙の包を、学校の印刷室などで見た思い出のある方もいらっしゃると思います。
右上に真直ぐ伸びるのは「大楽毛小川」、見た目はこちらの方が本流に見えます。竜神川は、左から合流してきます。一般市民が見ることのできる竜神川の最上流部と言う事ですね。
国道からやや南側に水道橋がかかっています。水の色に注目してください。濁った緑色に見えるのは、天候のせいではありません。
王子製紙の構内から南下するまでの区間はコンクリートで護岸されていますが、東側に直角に方向を変える地点からはご覧のとおりとなります。
近くには住宅もあり、余りきれいとは言えない水ですが、渡り鳥が泳いでいました。鳥に関しては知識がないのですが、キンクリハジロらしいです。(5月4日撮影)
東進する部分に架かる唯一の橋、「昭栄橋」です。1967(昭和42)年の航空写真(縮尺:1/20000)には、それらしい影が写っています。ご覧の通り、北側は住宅街です。
昭栄橋から東側。ちょっと見には自然の流れに見えますが、河川改修の跡です。ここにも、キンクロハジロが来ていました。
ここからは、周囲に何もなくなるので・・・
ここが河口です。右の流れが星が浦川です。東に向かって真直ぐに流れていた竜神川ですが、河口近くになると地下河川となり一旦姿を消します。地表面は殆ど砂利道です。
製紙会社は水を多用します。王子製紙の工場は、阿寒川の水を利用していると思いますが、竜神川は排水路として利用されているのですね。