カストロ前議長死去 | 生真面目さんのブログ

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 フィデル・カストロ前議長が死去した。90歳。20世紀を代表する世界史に名を残すひとりといえる。我々昭和の高度経済成長を支えた団塊世代はもちろんその前後の生まれの世代もこのキューバカストロ議長を知らないものは皆無だろう。

 1962年のキューバ危機事件はその代表的なものだった。キューバが反米国の政策を採っているのを幸いに当時のソ連がやってやれとばかりにキューバにミサイル基地はどうかと持ちかけて成功するかにみえた。それを知った当時の米ケネデイ大統領はソ連との戦争も辞さぬという構えでキューバの周りの海上封鎖にのりだした。一触即発の事態に陥る。いわゆる「キューバ危機」である。来るならあらゆる船舶を拿捕あるいは撃沈するという強硬姿勢でソ連に向かった。ソ連はもちろん当初からちょっかいのつもりだったので米国の本気度を恐れてこの危機は終息した。今なら航空機でのミサイル持ち込みができるのだが、当時はまだ船舶が主要な運搬手段だったからこれが防げたがと思うと不幸中の幸いだったのかもしれない。

 そういう経緯があって長くキューバは米国の政策の元、経済封鎖にあって今日に至っている。最近この封鎖が解除され米国との国交が回復されてオバマ大統領の訪キューバがあり、日本の安倍総理もフィデル・カストロ前議長との会談もあって融和が前進した。そんな折の死去である。西側の主要政治家の訪問でこれまでの生活が乱れたのか、緊張が体調を狂わせたのかそれともこれまでののんびり生活に急な意識の変化で命をちじめたのかどうか。

 キューバでは今でも米国製の大型乗用車が走り続けているという。1950年代のあの米国乗用車である。大型車で当時は世界のあこがれの車だった。しかし見かけ倒しで故障も多く燃費が極端に悪い代物だった。そういうお国柄だから細かいところはあまり気を使わないところがキューバ国民なのだろう。年中温かい国だからのんびりした国民性ができているのに違いない。ひとつの時代が終わったというところか。