秋頃に家に帰ったら見た事のない大きな鶏が庭を歩っていた。「何?」と思ったら、喧嘩で指の1本を切断してしまった軍鶏の雄で、喧嘩鶏としては役に立たないという理由で、我が家に持ってきてくれたようだ。
「そんな危険な鶏、いらない!」と思ったら、大人しくてメスにも優しい紳士な鶏だった。


これは現在の写真だが、我が家に来た時には指の1本が無くなったばかりだった。それを考慮せずに夕方に、少しだが段差のある雌の軍鶏がいつも寝ている近くに寝床を作って、私が抱いて寝床に連れて行った。一晩はそこで寝ていたが、翌朝、大騒ぎ。羽根をバタバタとさせながら意味不明の動き。
大騒ぎの末、なんとか下に降りる事は出来たが、その後、行方不明に。

探しても見つからず。雄だから朝になったら鳴くだろうと、翌朝の暗い時間から縁側でツムツムをしながら待っていたが、、、、鳴かず。
そこで、気がついた。
「そうだ、スーパーボランティアのおじさんは、二歳児は坂を上がるけど下らない、上に行くと言ってた」
その意味が分かったような気がした。

来た時に、一歩一歩、地面を確認しながらゆっくりと歩いていた。怪我をしたばかりだったので、地面があるかどうか、地面に触れてから足を出していた。という事は、上るけど下らない!

それから小高くなっている所を探したが、見つからず諦めていたら、次の日の早朝に元気に鳴いていた。

すぐに声の場所に行き、「救出!」と思ったら、走って逃げられた。ニヤリ
約2日で指1本無しでの歩き方、走り方をマスターしたようだった。嬉しいような悲しいような。

捕まえるのは無理なので、そのままにしていたら、午後にはメスと一緒に庭を歩っていた。
そして、今に至る。
来た時には指も怪我をして、頸の羽根も抜けて痛痛しかったが
今では羽根も揃って、立派な軍鶏になった。