岬の兄弟 アマプラ 感想 | みねちょのブログ

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生きてるって感じを37年生きてて初めて感じてる。
気分変調症、治ってきてる。
(気がする)

いやー、後味なんとも言えない。


物語は自閉症(作内で病名は言及されてない)ぽい妹と、片足の不自由な兄の二人家族の話

多分兄が40代後半くらい?かな〜?

兄の仕事も前半でクビになったけど船の修理とか?

港で作業着着てるのでそんな感じ?

部屋は借家???だろうけど一軒家?ぽい、狭い。窓全てにダンボールで目隠ししてある為昼でも暗い。

ご両親は居ないが死別等の言及無し。

兄の仕事が無くなった時に頼った友達(名前忘れた)が警察官なんだけど、あの兄弟なんとかしてやれなかったものか…もう適当に罪状つけて刑務所入れた方がそこまで道それずにいけたのではないか。


兄の仕事が無くなった辺りから物語ははじまり。

ふと家から出るなと言ってある妹を探しに出たら軽トラの運転手(?ごめんうろ覚え)に体売ってたと判明。

最初、兄はキレやすいがダメなことはダメだと分かる兄貴だと思った。クビになったけど働いてたし。

兄の友達(警察官)へ家賃が払えなくて三万貸してほしいと行った時、結構常習的で頼み込んでるのに人に当たる、駄々をこね暴れ自分の思い通りにしようとする、マンションの壁を殴る等

これ兄の方も脳でもなんか障害あるだろ。

て感じ。

ここまで来たら落ちるしか道は無い。どこまで落ちるかの物語。

見ていて、ここから幸せな話にはなれないなと。

もうこれしか手はないと、妹を一時間一万円で売る事に。

最初その値段で行ったの。

でもその金払ったのは田舎の土地柄、口止め料込みだったろうに、兄それ分からないから人里まで来て「可愛い子いますよ……」て売り込み行くんだけど、人が多いんだからその値段出して自閉症ぽい子を買う物好きも勿論居なく。

当たり前のそういうサービスの店があるんだからわざわざ怪しい女をその値段で買わないよ、てのが兄分からず。知らず。

で裏道みたいのを仕切る兄ちゃんに見つかり捕まって殴られたりして。懲り、田舎へ戻り。

その後手作りの蛍光ピンクみたいなビラを一軒一軒ポストに入れたりする。

兄、自分のケータイの番号載せて。

「チェンジ」

て言われたりするのよ勿論。

「いや、これはダメでしょ」

て。

『ダメ』の理由は言及されてないけど、多分

一目見てなにか障害をもってる女性にそんな事させたらダメでしょ、自分の意思でやってるのかも分からないのに。

て事なんだろうけど、私はその人を見てやっとマトモそうな意志の人間がでた!

て、思った。

でもその客に対して値切るのよ、兄が。

もうどうしようもない。

妹は妹で倫理がダメだし、そんな妹がこれまた倫理ダメな兄と一緒に居て、幸せって言ったらもうあれなんだけど。幸せになれるはずないじゃん!!!!


ここから這い上がるのは無理だよ、こんなになる前になんとかならなかった物か。てずっと考えてた。

こういう人達って居るじゃん。絶対。実際に。

そういう人は適切な診断を受けたり、治療を受けサポートしてくれる場に行けばまだそんな事にはならなかったはずなんだけど。

面倒を見ている側に見える兄も、そこまで頭良くない、そんな知識も無い。(多分脳の病気)

つくづく、正しく助けて貰う側も知識が無ければ助けて貰えない。

て思った。

兄、妹共に避妊の概念も無い、というかこんなことをしてたら妊娠するとか性病にかかるとか先の心配をしてない(できない)ので、結果性病、妊娠。その後中絶。

兄弟以外の登場人物みんなに、この警察官が、医者が!もっと踏み込んで助けてくれれば!

て思うけど、他人の暮らしにプライベートで踏み込むリスクを『普通の人』ならわかるからそう思う通りになんかいかないんだよな。


もういっそ自首してくれ、売春禁止法とかなんかで絶対捕まるから自首してくれ……その方が妹も他の人間が見つけてくれ、適切な行政に繋げてくれるかも。それに水や電気に困ることも無いでしょ、自首の方が全然良いから自首してくれ!!!!


て。

映画を観てて思ったことの無い思いをずっとしてた。

きっつ。

少しでも妹を「可愛い子」に見せるために口紅を塗るのが吐き気するくらい気持ち悪かった。

妹が、多目的トイレの鏡に映った、唇を赤く染めた自分に嬉しそうなのが泣ける。

こんなのどうにも助けられないよ……。

ラストの落ちまで後味悪かった。

最悪。

感情グラグラ落としたい人にはオススメ。とても嫌な気持ちになれます。

『現実』を思い知らされる映画でした。


(演技、現実感は最高完璧。水道が止められても蛇口限界まで捻ってるとチョロチョロと水が流れるシーンは見ててキツくなった。監督はなぜそれを知っているのか。)