BCG接種が新型コロナウィルスに効果あるのではないかと最近よく耳にします。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200403-00010022-abema-soci

 

上に貼り付けた記事から抜粋(赤字部分)

 

新潟大学医学部細菌学の松本壮吉教授は、BCGワクチンの新型コロナウイルスへの効果について次のような見方を示す。

 「疫学的にそのようなことが示唆されているということで、本当に効くかどうかはまだわかっていない状況。コロナウイルスの感染症に対して“非常に効果があるというものではない”と思う。疫学療法からすると、重症化を抑えるというような柔らかい効果があるかもしれない。BCGの接種をやめた国では新型コロナウイルス感染症に対する死亡者数が多いという、疫学の情報が結構明瞭というのが1つ。

 

元のデータを見ていないのではっきりとしたことは言えないのですが抜粋箇所から分かるとおり、BCG接種とコロナウィルスの感染症に対して疫学の情報が結構明瞭」と書かれていることから割と明確な相関関係(有意差)が見受けられるのでしょう。

つまり、BCG接種率が高い地域では感染者が少ないという傾向のデータが確認できるのだと思います。

 

疫学とは

https://ja.wikipedia.org/wiki/疫学

 

ではなぜ疫学データだけでBCG接種に効果があるとは言えないのでしょうか?

 

疫学専門用語になりますが交絡因子が存在していた場合、交絡バイアスを発生させるからです。

 

交絡因子とは

https://jeaweb.jp/glossary/glossary014.html

 

交絡因子を表す格言として

「酒飲みは肺癌に罹患しやすい」と言うものがあります。

これは酒を飲む者は肺がんに罹患するものが多いが肺がんの原因は別にあるということを教える格言となっています。

 

今では「酒飲みは肺癌に罹患しやすい」と言えないのかもしれませんが昔は酒を飲む者は

同時に煙草を吸うものが多かった為、飲酒の習慣のある者と肺がん罹患者の相関を調べると正の相関関係が見られたのです。

 

つまり、肺がんの原因は本当は喫煙と言う習慣に起因するものなのにデータ上では飲酒に原因があるともいえる分析になってしまうのです。

 

想定される交絡因子があらかじめわかっているのであれば層別解析という手法で真の原因を分析ができるのですがそれらが分かっていない場合、もしくはそのデータが無い場合であれば疫学データだけを持って原因を断定することは困難なのです。

 

今回のケース(BCG接種が新型コロナウイルスに効果あり)であれば疫学データに加え結核菌に対する抗体が新型コロナウィルスに働く作用機序が判明等の条件が加われば明確に効果ありということが言えると思います。

 

亡くなられた志村けんさんはBCG接種を受けていない年代の方だと聞いたことがあります。

 

もし、BCG接種が新型コロナウィルスに効果があるのであれば希望ですね。