原研にいた時に衆議院選挙が1回あった。僕が住んでいた地域からは、我がM大学OBにして同窓会長でもあるT氏が立候補していた。T氏は自民党の派閥の領袖でもある大物政治家だ。政治思想で分類すると保守の政治家だ。当然、我が原研にも選挙応援の要請があった。

 

今現在の自分の政治思想は保守だが、当時は社会党、共産党の支持者だった。左派の党が集まって日本に二大政党が根付くことを望んでいた。保守系の議員のどこが嫌いかというと地元利益誘導タイプの政治姿勢の輩が多かったからだと思う。実はそのこと自体は今もあまり変わっていないと思うのだが、左派の外交、防衛、経済音痴ぶりは先の民主党政権で十分にわかったのでもう、国政選挙において左派の議員に投票することはないだろう。

 

というわけで、T氏は典型的地元利益誘導タイプの政治家だったので江田姉さんから選挙応援をするように説得を受けたのだが

「なるほど、お姉さんの言いたいことはわかりました。だが、お断りします」

と言って断った。

 

加えて、「選挙では社会党議員に投票させていただきます」と言うとお姉さんは寂しそうに「そう」とだけ言った。

 

この選挙の結果はT氏の落選で終わった。派閥領袖ということで自派の議員の選挙応援に忙しく自分の選挙地域に帰ってこれなかったことが落選の原因とささやかれた。

T氏の落選で自分の溜飲は下がったのだが、江田姉さんの寂しい顔が脳裏にこびりつく

後味の悪い選挙の思い出となってしまった。