最近のお気に入りのおひとりさまタイムの過ごし方。
それは、知的好奇心をくすぐられるのんびり贅沢なDAY TRIP。
少し時は遡って(多分)1月。
人生ビンゴに「月一美術館」と記載した私は、早速どの展示に行こうかネットで探してみることに。
最近は建築に興味を持っていて、ゆったり過ごせるホテルやカフェはなんで落ち着くんだろう、とか
歴史的建造物を見て、なぜこれはこの形をしているのだろう、とか、どんな人が住んでいたんだろうと想像するのが楽しい。
そんなわけで、「都市菌(としきのこ) ――複数種の網目としての建築」という展示を観に行くことに。
都市を「人間の手が入った多様な生物が暮らす居住域」と位置付けてエコロジカルな視点で古民家を改修したり、
人と人とが自分達の空間を保ちながらも繋がることのできる空間設計がとても印象的だった。
建築については全くの素人で、専門的なことなんて一切分からない私だけれども、
元々5年ほど前に宿泊関係の仕事をしていたこともあって、空間設計には興味を持っていたので
展示されている模型や写真、模造品などを観ながら妄想を膨らませた。
たっぷりと展示を観て、建築に関係する本なども買って、外に出た私は次なる目的地に向かうことに。
乃木坂から青山一丁目まで歩いていると道中になんだか庭園らしきものを見つけて立ち寄ることに。
見つけたのは旧乃木邸。旧乃木邸というのは、明治時代の陸軍大将だった乃木希典とその妻が暮らし、殉死した場所でもある。
恥ずかしながら、乃木希典大将のことは今まで知らず、「素敵な邸宅、お庭だなあ」くらいの感覚で足を踏み入れたので
乃木希典大将について知り、想像を膨らませた。
簡単にその時知った情報を記載:
・旧乃木邸とは、明治天皇崩御の後に殉死した陸軍大将乃木希典の邸宅。
・邸宅はドイツ留学中に見たフランス連隊本部を参考に設計された。
・乃木希典とその妻静子は明治天皇大葬の日に自宅で自決。
・自決後は遺言に則り東京都に邸宅を寄付。
乃木希典肖像はこちら
肖像を見ると分かるが、とても意思が強く、信念があり渋かっこいいおじいちゃんという感じ。
明治天皇の崩御後に自決をしたことを考えると、明治天皇をいかに慕い敬っていたかが分かる。
自決に至るまでの、私には想像もできないほど乃木希典大将の深い悲しみや慈しみ、「ああここで人生を終えよう」と思うほどの何かがあったのだろうか。
とまあ想像しながら、次の目的地である清澄庭園へ。
清澄庭園は以前から行ってみたいと思っていた庭園だが、実際に足を踏み入れるのは初めてだった。
清澄庭園とは:
・泉水、築山、枯山水を主体にした「回遊式林泉庭園」。
・元は一部が江戸の豪商・紀伊國屋文左衛門の屋敷跡→下総国関宿の藩主・久世大和守の下屋敷。
・その後岩崎弥太郎が、荒廃していたこの邸地を買い取り、社員の慰安や貴賓を招待する場所として庭園造成を計画。
・岩崎弥太郎没後に完成した回遊式林泉庭園。
日本庭園が大好きな私だが、これまで行った庭園の中でも1,2を争うほど好きになった庭園だった。
清澄白河の土地は、下町感あふれる情緒と近年の都市開発によるオシャレな街並みが融合する不思議な場所だ。
その中に雄大に構える清澄庭園は、来場者もそこまで多くなく、ぽつぽつと人が歩いている程度。
きっと桜や紅葉の季節はもっと人がごった返すのだろうが、冬はどの庭園もどこか寂しい雰囲気が漂う。
ただ、私は冬の庭園が一番好きだ。
葉が落ちきった木々や、薄茶色に染まった芝生、落ち葉を踏み締めて歩く感覚。
池には鴨や鷺がゆったりと泳ぎ、(歩き、、?)空の青さを池が反射する。
そんなゆったりした時間を、ベンチに座ってぼーっと見つめたり、本を読んだり
たまにお抹茶と生菓子をいただきながらほっとする時間がとても好きだ。
あいにく、その日は少し曇っていてそこまでいい天気ではなかったのだけれども、
都会の中で自然に囲まれて深く深呼吸をして思い切りリラックスができた時間だった。
閉園時間と共に外に出て、最後は銭湯へ。
庭園のすぐ近くに辰巳湯という銭湯を見つけて、入ることに。
ゆったりした浴槽と露天風呂で、その日1日を思い出す。ゆったり、和やかに流れていく時間がとても愛おしい。
最近は自分の世界に浸ることを悪いことのように言われることが多いけれど、
いいじゃん、たまには。思いっきり浸って、思いっきり癒されたい。自分の好きなように時間を過ごして、深い深呼吸をしよう。