だいぶ時間が空いてしまったが、ようやく一人旅最終日のお話。
こうやって書いてみると意外と短い旅だったんだなと思う。
たくさんの街や人、モノと触れ合ったからか壮大な冒険のようにも感じていたのだけど。
最終日は、祖父の故郷である尾道に泊まった。
祖父の故郷とは言っても、もう親戚は一人もおらず、私は尾道水道が部屋から臨めるINNに。
尾道に着いたのはもう日が暮れてからで、INNにチェックインしてからすぐに夕食に出かけた。
広島×海と言えば牡蠣でしょ!と牡蠣一択だった私だが、なんと行く先々ほとんどの海鮮系のお店はやっておらず。
歩き疲れてフラッと前を通ったビストロに。
今日は早くホテルに帰って明日朝活するか、、とビストロでは軽くワインを一杯、サクッと食事を済ませてホテルに。
今回私が泊まったのはUrashima-INN ~GANGI~
チェックインの際はもうあたりが暗かったのであまりよく見えなかったけれど、
朝起きてカーテンを開けた時の感動と言ったら…!
あ〜これぞ広島って感じの風景で、どことなく懐かしさを感じた。
朝起きたらチェックアウト前にホテルの屋上へ。
風に当たって風景を楽しんでいたら、OLのお姉様から話しかけられて少し団欒。
その後チェックアウトをしてから、パン屋さんに。
パンを二つ買ったらいざ冒険へ。フェリーの時間までは少しあったので、猫の細道に行ってみることに。
らしきところには着いたのだが、猫はおらず、ここで本当にあっているのか、、?と思いながらぐるっと回って公園へ。
尾道を一望できる公園にたどり着いてパンを食べながらお散歩。(この時めちゃくちゃ蚊に刺された)
おっと、フェリーに乗り遅れると急いで港に。フェリーに乗って、いざ生口島へ!
お天気が怪しかったのだけど、なんとかぎりぎり晴れているかなくらいの天気で、どうかこのまま帰るまで降りませんようにとお願いしながらフェリーで過ごした。
なんせ、この日に東京に帰らなければならないので、生口島の滞在時間もあまり長くなかった。
フェリーで入念に行きたい場所とルートを決め、気合い十分で臨む。
着いたらすぐにレンタル自転車を借りに行った。
ニコニコしたお兄さんが一通り説明してくれて、かわいい黄色の自転車を借りることに。
(この日は真っ青の海のようなワンピースを着ていたので、黄色がよく映えていた)
まずはサイクリング!あまり時間がないのでビーチの方まで島を半周することに。
島なので心地よく風が吹き、真っ青な空と海に挟まれた私。
ここ数ヶ月のモヤモヤを吹き飛ばすべく、「あーーー!!わーーーーー!!!」と叫びたい放題。
(流石にすれ違う自転車や自動車に乗る人には驚かれたと思う)
生口島はレモンとタコとアートの島らしい。
ビーチまで自転車で走る中でも幾つかアートを見つけ、これはなんだろう、、なぜここに、、など考えて進むのも楽しかった。
一旦商店街の方に戻ってきて、一旦食事に。
行ったのはタコ飯で有名な「ちどり」に。
タコもレモンも大好きな私。もちろん、タコ飯とレモン鍋の御膳をいただいたのだが、どうしてもタコの刺身も食べたかったので単品で追加。
どれも本当に美味だった、、。
愛すべきタコ&レモン…。
食後は耕三寺と未来心の丘へ。
昭和初期に建築が始まった比較的新しいお寺だそうだが、まずその美しさに目を奪われた。
鮮やかな色と、実業家・耕三寺耕三氏が母への感謝の気持ちを込めて建てたお寺ということもあって至るところにその想いを感じさせる建築物が並ぶ。
お寺自体がとても美しく、その造りを眺めているだけで時間を忘れてしまいそうではあったのだが、特に本堂の隣にある『千仏洞地獄峡』は衝撃と感嘆の繰り返しだった。
これはすごいものを見てしまった、、と外に出て、敷地内にある未来心の丘へ向かう。
真っ白な大理石で作られた広大な庭園で、晴れていたら空の青さで大理石の白さが引き立つのだろうが、生憎帰るまでは待ってくれなかった雨雲がもくもくと立ち込めており、想像していたよりもおどろおどろしい雰囲気に…。
とりあえず、せっかく来たのでパワーチャージということでパワースポットに座ってそのまま後にした。
もうその時点で帰りの時刻は迫っていたのだけれど、どうしても平山郁夫美術館も行きたかった私は、急いで自転車を走らせて美術館へ。
正直ゆっくりじっくりは見られなかったのだが、素敵な作品をたくさん見ることができた。
画家である平山郁夫さんが生まれ育った瀬戸が、どのように生きてどのように美術に向き合ってきたのかを知ることができる素敵な展示だったし、写真撮影もOKだったので色鮮やかな作品たちをカメラに収めることができた。
(平山さんの作品には金がよく使われていて、どこか神々しさを感じる作品が多かった。)
一通り見て満足した私は、自転車を返しに行ってレモネードをもらい、帰路についた。
そのまま広島空港から東京に戻る最中、広島空港であるものを見つけた。
それは、牡蠣。
前日あれだけ食べたくて歩き回っても食べられなかったあの牡蠣…!
これは食べないでは帰れないと、牡蠣とスパークリングワインを頼んで楽しんでから帰りましたとさ。
今回の旅は、思い返すと歴史×アートを楽しんだ旅だった。
それまでモヤモヤして疲れ切っていた心も、歴史とアートにロマンを感じてすっかり癒されてしまった。
息をふーっと吐き出せる、そんな旅。
またすぐにでも行きたい。