今日も「転院を考えてくれ」と言われた。

親族は私だけ。

倒れた当時は兄がいたが、先にあの世へ行ってしまった。

1度しか会ったことの無い私が唯一の親族となるが、財産相続権は無く、裁判所が任命した司法書士がついている。

一切の財産に関する情報は貰えない。

彼らは仕事をこなすだけ。

情を持って考えてはくれない。

いとこは脳幹出血の後遺症で半身に麻痺が残り、リハビリを頑張っていたが涎が垂れ流しになるので汚いと施設で嫌われ、施設も3か所だつたか‥変わるうちに知識の無い職員達のせいで廃人同然になってしまつた。

殺されてしまう・・・と危機感を持った私は重体で運び込まれた病院で苦渋の決断を迫られた。

このまま血管からの栄養で死ぬのを待つか、胃ろう手術をするか・・・。

付き合いの無かったいとこの命を決めねばならなかった。

 

一晩悩んだが、命さえ有ればそれからの方法も探せるかも知れないと手術に同意した。

胃ろうの管もいずれ太い物に変えれば固形食も可能になるし、嚥下療法も出来るだろうと考えたのだ。

 

甘かった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

そんな面倒な事を親身にやってくれる医療機関など無い。

よほどのコネと謝礼でも準備すれば、もしかしたら可能なのかも知れないが。

 

結果、必死で探したある個人病院でミイラ化同然の廃人となって数年生きている。

そう・・・生きている・・・だけ。

それでも咳は大きいし、奇声を発するし口腔内を綺麗にしようとすると本気で噛みつくしで、看護師さんもほとほと・・・イヤケガ・・・。

他の入院患者さんからの苦情が絶えないと、何んとか転院をといわれてしまった。

何度目かな・・・。

転院させたらすぐ死ぬだろうな・・・。

手を擦り合わせて「お願いしますよ」と拝むしかない。

 

身体的でも金銭的でも弱者になったらこの世は終わりだな。

私も我が強いから、集団生活や人の世話になる生活を旨くこなす自信はない。

本当にどんな人生を生きたとしても、最後が重要だ。

ピンピンコロリしか良い方法は無いが、コルセット生活53年目を迎える私には無理かも知れない。

 

胃ろうにしてしまったいとこには本当に申し訳ない。