俺はふと思う事がある。

今まで積み上げてきた事が自信であり、アドバンテージ、アイデンティティーになっているんだが、それにかまけて他人を評価できなくなるのが怖い。

年齢を重ねる毎に自分は他人よりレベルをあげていく様に行動する。
年上にだって負けていないと自負する場面もある。

しかし、だ。

実際年下に俺より能力が高いヤツがいる。
そして完膚なきまでに叩きのめされた時、俺はどうするのだろう?

年下のクセに、と負け犬の遠吠えじみた事を言うのは御免だ。

今は高校生だからこそ、年齢差というアドバンテージは通用するが、社会に出たら年齢差なんてアドバンテージ糞ほどの役にも立たない。

ただ負けているのに年齢にかまけてふんぞりかえるような真似だけはしたくない。

能力のある人間を評価できなくなるのは年齢というフィルターを無意識に通してしまうからだ。

俺はその無意識の選別が怖い、たまらなく。

俺はそんな無能にはなりたくない。
自分より優れている人間を、果たして俺はフィルターを通す事なく受け入れる事ができるのだろうか?

こいつは凄い。
しかし何処かで自分より劣っている点を見つけようとしてしまう。

これは40歳年下の方が考えがまともであったら、それを讃える他ない。
しかしそいつよりも過ごしている40年という長い月日を積み重ねたアドバンテージ、アイデンティティー、プライドはそれを許す事ができるのだろうか?

俺は、許せるか分からない。

それが怖い。


年齢にふんぞりかえる……いわゆる老害になんてなりたくない。

何歳下でも平等に評価出来る力を下さい。
年上だからといってふんぞりかえる馬鹿を懲らしめてやって下さい。
糞ほどのアドバンテージプライドなんて意味はないです。

これから俺が時間をかけて積み上げて行くものは、どれ程価値があるのだろうか。

40歳年下に完膚なきまでに叩きのめされるような薄っぺらいものではない事を祈る。

俺は自分に価値がなくなった時、死ぬでしょう。
寿命なんて関係無しに、死ぬでしょう。
生きていても価値のない人間にはなりたくない。
俺は生きていけるか、不安で怖い。

とりあえず、価値のある人生であると、そう信じたい。