梅雨だ。
ジメジメして嫌な季節だ。
雨の日はエアコンフル回転だ。
今回はコンデンサーマイクに湿気は大敵という話だ。
「何を今さら!そんなの常識!」
とおっしゃるそこのアナタ。
理由を全て述べよ。
「全て」というところがミソである。
湿気がもたらす悪影響は一つや二つではない。
例えば高湿度環境では時間とともにスポンジはボロボロになっていく。
触っただけで粉々になって崩れたりネチョネチョのドロドロになったりする。
これは加水分解と呼ばれる現象だ。
「それとコンデンサーマイクとどんな関係が?」
というそこのアナタ。
分かりやすい例がマイクボディへのダメージだ。
マイクケースの多くは緩衝材にスポンジを使っている。
このスポンジ、数年から数十年経つとボロボロになる。
マイクとスポンジの接触面ではサビや塗装の変質が急速に進行する。
このような事態を防ぐために、ケースとマイクを一緒に保管する場合は密封袋にマイクと乾燥剤を一緒に入れておくと良い。
一番簡単な予防策だ。
劣化を最小限に抑えられる。
マイクとスポンジを接触させてはいけない。
湿気によるスポンジの劣化がもたらす悪影響は何もマイクボディに限ったことではない。
実はコンデンサーマイクのカプセルの内部にはスポンジが使用されているものがあることを御存じだろうか。
「マイクカプセルにスポンジ!?」
「そんなアホな!」
かつ もく
刮目して見よ!
これはオーディオテクニカ Audio Technicaのとあるコンデンサーマイクのカプセルの分解写真だ。
黒いスポンジが崩れているのが分かるだろうか?
このスポンジはバックプレート裏に張り付いて音響抵抗やダンパーとしての役割を果たしている。
ここまで劣化が進行するとノイズの原因になったり、SNが悪くなったりと、音質に様々な支障をきたすようになる。
他にも有名どころではAKG C414シリーズに使用されている白枠のCK12系カプセルもスポンジ入りだ。
同社の他のマイクも似たようなもんだろう。
とにかく結論はハッキリしている。
マイクに湿気は大敵!
