デシケーターで長年眠っていたという中古のRODEのコンデンサーマイク。
48Vファンタム電源をかけても音が出ないということで持ち込まれた。
話を聞いてみると、どうやら未チェックのジャンク品をオクで買ったらしい。
「湿度調整されたデシケーターで保管されていましたが、未チェックなのでジャンクでの出品です。」
と商品説明にはあったそうだ。
嫌な予感がした。
コイツ、どうしようもないゴミを掴まされたんじゃ。。。
その予感は見事的中、ネジを外して中を見ると恐ろしいことになっていた。
コンデンサーマイクのカプセルの写真
なんじゃこりゃー!
ここは地獄か!
コンデンサーマイクの心臓部、カプセルが土埃を被っているではないか。
虫の死骸や髪の毛もべっとりこびりついている。
ありえねー!
「湿度調整されたデシケーターで保管されていました」?
ハー?!
調子いいこと言ってんじゃねーぞ!
土埃舞うガレージで長年ゴミに埋もれていたんだろーが!
少なくとも、土足のまま入れる場所での保管だ。
ここまで酷い状態の個体は滅多に見ない。
えてして数万円の低価格帯のコンデンサーマイクは酷い扱いを受けることが多い。
前にも書いたことだが、オクの「未チェック」と言うのは90%の確率でウソだ。
売り手は壊れていることを知っている。
未チェック品には夢がある。
もしかしたら、そのまま使えるんじゃなかろうか?という淡い期待があるからな。
安く買えたらお得!というアホ丸出しの金銭感覚でいるとカモられる。
売り手は買い手に夢と希望と燃えないゴミを売りつけるのである。
固有部品(カプセルなど)にダメージを受けたコンデンサーマイクの修理は結構かかる。
ゴミマイクの代金と修理費を合わせると新品で同じマイクを1本買うのと同じくらいかかる場合が多い。
普通は修理を諦める。
そしてまた歴史は繰り返されるのである。
未チェック品はまた未チェック品としてオクに流れる。
これを中古マイク業界では
NENC
(=Never Ending No Check)
「未チェックの輪廻」
と呼んでいる。
オクで未チェック品を買ってはいけない!