イヴがこの部屋の秘密を解くのに夢中になってる中、『告げ口』がギャリーのことを報告してくれた。
わたしの秘密に気付いたってことは…絵の具玉を集めきる頃かなぁ。
このまま放っておくと、せっかく外に出られるかもしれない機会をギャリーに潰されかねない。わたしからイヴを奪われかねない。なら奪われる前に、わたしが…。
「うふふ…あははははっ…!」
乾いた笑いがわたしの口からこぼれ落ちる。今頃焦ってるであろうギャリーの姿を想像したら、笑えてくるんだもん。
「あーあ…だめじゃない、ギャリー。わたしの邪魔しちゃ」
もう少しで、イヴと一緒に外に出られる。やっとひとりぼっちじゃなくなるの。
ギャリーは大人で、わたしが持ってないものいっぱい持ってるから、いいでしょ?なのに何で邪魔するの?
わたしからイヴまで奪わないでよ…!
わたしはパレットナイフを持って、ギャリーの後を追おうと元来た道を走った。待っててイヴ。邪魔者は消してくるから。
部屋を出た所で何かがあるのに気付き、ふと足を止め足元を見る。さっきは何もなかったはずなのに。わたしの邪魔をするように、マネキンが道を塞いでいた。心なしか、そのマネキンはわたしを嘲笑っているように見えた。
『メアリー どこに 行くの?』
マネキンがわたしに話しかける。
「どこでもいいでしょ…邪魔だから、そこどいてよ」
早く行きたいのに…。マネキンは嘲笑うような笑みのまま、そこを動こうとはしなかった。ただひたすら、わたしに質問を投げかけてくるだけだった。
『イヴを 置いて どこに 行くの?』
「……何よ…あんたまでわたしの邪魔をするの?」
…許さない。
わたしの邪魔をするのは、誰であろうと許さない。
「…邪魔だなぁ」