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「イヴ、ただいまっ!」

お花屋さんで買った黄色い薔薇の花束を持って、わたしは家の中に入る。
友達のみんなは入ってすぐに『大きいね』って必ず言うの。そうなのかな?
わたしが知ってるのは美術館とイヴと暮らしているこの家くらいしかないから、よく分かんないんだけど…。
それより!イヴに早くこの花束を見せてあげたいな。わたしはパタパタと廊下を走る。途中、イヴのお母さんに「走っちゃだめでしょ、メアリー!」って怒られちゃった。
「ただいまっ!」
わたしが部屋に入ると、イヴは扉の近くにいて、わたしを優しく迎えてくれた。途中までだけど、もしかしてわざわざ迎えに来てくれたのかな?やっぱりイヴって優しいな…。
「おかえり、メアリー。…その花束は?」
「これ、綺麗でしょ?わたしのと同じ、本物の薔薇なのよ!」
「ああ、そう言えば美術館から帰る時メアリーも持ってたわね。黄色い薔薇の造花」
イヴのお母さんは優雅に紅茶を飲みながら、ふと思い出したように呟いた。
美術館…造花…。イヴのお母さんの言葉を引き金に、暗い思い出がわたしの脳裏に蘇る。大切な思い出だけど、思い出したくないのに。
「あれね、たまたま外を歩いてて貰ったの!…ねぇお母さん、わたしも飲みたいなぁ」
「はいはい、今淹れるわね」
クスクスと微笑みながら、イヴのお母さんは紅茶を淹れにキッチンへ向かって行った。イヴの笑顔が優しいのはお母さん似なのかも。
「…それでね、イヴ!」
話題が逸れてしまった。わたしはイヴのお母さんの背中を見守って、イヴに再び話し掛ける。
「これ…イヴにプレゼント!」
少し照れるけど、勇気を出してイヴに黄色い薔薇の花束を差し出した。受け取ってくれるかな、喜んでくれるかな…。
「嘘…これを私に…?」
驚いたような声で、イヴは花束を受け取る。まさか自分になんて思ってなかったんだと思う。
サプライズは成功。これでイヴは笑顔になって、ずっとわたしと一緒に…。

「私の事、そういう風に見てたのね。酷いよ、メアリー!」


…どうしてなの?
わたしはただ、イヴと友達になりたいだけなのに…。