夢を見た。
とても久し振りに、夢を見た。
それは、とても不気味な夢だった。
てんとう虫サイズの蜘蛛を、割り箸の背で、私がひたすら潰すという…
そんな夢。
何より不気味だったのは、次から次へとゾワゾワ湧いて出る蜘蛛の姿ではなく、その蜘蛛をひたすら潰している私の表情が無表情だったという事。
騒ぎ立てるでもなく、泣き喚くでもなく。
使命感に燃えるでもなく、達成感に満足するでもなく。
流れ作業の如く淡々とこなすその姿は、まるで無機的なロボットだった。
俯瞰で眺める私の目には、夢の中の“私”を囲む見知った顔が幾人も見えていた。
だけど夢の中の“私”はその存在に気づこうともせず、狂気の世界を独り愉しんでいるようだった。
次から次に湧き出る蜘蛛は、何を意味していた?
それを押し潰す“私”は、何を意味していた?
『A.M.6:40』
見慣れない時間に覚醒した私は、夢の世界を名残惜しげに回想していた。
現実の世界で無表情になる事はそうそうない。
冷めた表情に見えても必ず喜怒哀楽の気配はあり、僅かに放たれる匂いは感情によって違う。
どうしたものか…
私は今、自分の感情が解らない。
喜怒哀楽の気配、匂い、色…
まるで無機的なんです。
http://www.youtube.com/watch?v=ZPZ6-U_18hU&sns=em
くもにはくもの辛さがある。
地上から見上げるこの空は、宇宙から見下ろした時、果たしてどんな色をしているのだろう。
そこにいつもの景色がなかったとしても、私は受け入れる事ができるだろうか・・・