政府より発行される死亡予告証:通称“逝紙(イキガミ)”。
それを受け取った者は24時間後に必ず死亡する――。
“国家繁栄”の名のもとに。
玄関のチャイムが鳴った。
ドアを開けると、そこにはスーツを着た男が立っていた。
手には死亡予告証。
僕の名前がそこには書いてあった。
“逝紙(イキガミ)”が届いた。
驚きはしたが、不思議と悲しい気持ちはしなかった。
本人確認の後、サインをすると、男は帰っていった。
僕の手には逝紙だけが残った。
死亡予定時刻は、明日の午後3時だった。
あと24時間後、僕は死ぬ。
僕の人生は終わる。
いろいろ考えると、少し恐くなってきた。
僕が今まで考えてきた、未来だとか夢だとかは、叶うことなく終わるんだ。
24時間という少なすぎる時間で、僕には何が出来るんだろうか。
僕には会いたい人がいる。
でも会えるだろうか。会ってくれるだろうか。
分からない。
電話したところで、出てくれるかさえ分からない。
何処か遠くにいるかもしれない。
誰かと会っているかもしれない。
僕にそんなことする資格はあるのか?
何も知らせずに、ひっそりと死んでいった方が、良いかもしれない。
どうせあと24時間で死ぬんだ。
自分が24時間、我慢すれば済むことだ。
普通に生きてよう。
普通に生きてみよう。
あと1日、か。
僕の人生は何だったんだろう。
このまま死んで、良いのか。
このままで、良いのか。