父の謡曲の本を一閑張に使って欲しいと思い
大量の冊子を加藤さんに差し上げたのは4月29日のこと。
そのさい、父のお謡いの免状もお渡しした。
父はずっと額に入れて飾っていたんだけど、
そのまま飾っててもしかたないし、かといって捨てるのもなぁ
もし良かったら、これも一閑張に仕立ててもらえないか頼んでみた。
すると、なんということでしょう!!
父の免状と謡の本が こんな素晴らしい作品になって
わたしの手元に戻ってきたのであります!!
お免状とお謡いの本がコラージュされています。
お店をやりながら毎晩お稽古に通い
仕事中でも、夜中トイレに行く時も
ところかまわずうなるのにはちょっと閉口したけど(笑)
ついには結婚式場に依頼されて、結婚式のお謡いのバイトを
やるまでになる。
「やるなら遊び半分じゃなく、とことんやる」が信条だった。
その父の形見ともいうべきものが
こんなに素敵な作品となってわたしの手元に戻ってきた。
父の妹にあたる叔母が来た時に見せると
感動のあまり絶句した後、ちょっと涙ぐんで
「兄貴の大切なものをこんなに素晴らしい作品にしてくれて
ありがたいねぇ・・・」とつぶやいた。
家庭の事情で中学にしか行けず、
独学で勉強し続けた父だった。
仕事のかたわら、書道と謡曲を習い
人さまから頼まれるくらいになった。
転んでもただじゃ起きない男 と呼んでいた(笑)
そろそろ父の命日も近づいてきた。
この素敵な贈り物を仏前に供えよう。
加藤さん、本当に本当にありがとうございました!




