ある機関紙のコラムを書くことになりましたので、以下のような記事を掲載しました。(Ver2)

学ぶ心 教える心

利休居士(千利休)は、お茶の教えをわかりやすく伝えるため百首の短歌「利休道歌」を残されました。その中に次のような歌があります。
「こころざし深き人にはいくたびも あはれみ深く奥ぞ教ふる」
これは、教わる人の心構えを言っているだけではなく、教えるほうもしっかり教えなさいと言っているのです。教えるほうがしっかり教えなければ、教わる方も深みのある質問はできません。茶道では本に書かれた点前(てまえ:お茶を差し上げる順序)もありますが、口伝でしか学べない点前もあります。先生も生徒に教えることでさらに理解が深まり、生徒からの何気ない質問で新しいものの見方が見えてくることもあります。
 企業でも同じで、社風やノウハウなどは、先輩が後輩に説明することで咀嚼され、さらに良いものへと発展していきます。
教える人と教わる人が心の器を空っぽにしてお互いに尊重し合い、高みを目指す心構えがあれば、自然と結果はついてくると思います。