同一期間におけるスペインの小麦の価格を観てみると、同様に英蘭よりも遥かに大きな変動が見られる。一六七五年ないし一七六四年におけるセヴィレの市場の小麦一ファネガの価格の表が地金委員会報告書附録に載っているが(訳註1)、それによると最高価格は四八レアルス・ヴェロン(一六七七年)、最低価格は七レアルス・ヴェロン(一七二〇年)であって、その差はほとんど七倍である。そして十年ないし十二年の期間において、差が四倍に達したことが二、三度ある。旧カスチレの諸都市に関する一七八八年ないし一七九二年の表によると、一七九〇年の最高価格は一ファネガにつき一〇九レアルス・ヴェロンであり、一七九二年には最低価格は一ファネガにつき一六レアルス・ヴェロンに過ぎなかった。レオン王国の美しい穀産地方に囲まれた町、メディナ・デル・リオ・セコの市場では、小麦四ファネガの一荷の価格は、一八〇〇年五月には一〇〇レアルス・ヴェロンであり、一八〇四年五月には六〇〇レアルス・ヴェロンであったが、両者はいずれもその年の最高価格に比べて低い価格[#「低い価格」に傍点]と称せられた。もし高い価格を低い価格と比較したのなら、その差はもっと大きくなるであろう。かくて、一七九九年には、四ファネガの低価格は八八レアルス・ヴェロンであり、一八〇四年には、四ファネガの高価格は六四〇レアルス・ヴェロンであるが、これはわずか六箇年間に七倍以上の差を示すものである(訳註2)。
スペインでは外国の穀物が自由に輸入されている。しかも価格の変動は、海に接しかつグアダルキヴェル河の貫流しているアンダルシアの諸都市でも、右に述べたほどひどくはないけれども、やはり免れないのであって、これは、地中海沿岸地方でも安定した供給は得られないことを示すものの如くである。