忘れな草を貴女に
~大切なキミへ~
第2章
あれからなんの進歩も悪化もなく、何日かが過ぎようとしていた。
今日は家に帰っても勉強する気になれず(いつもそうやけど)、なんとなく本棚を整理していた。
「?…あ…これ…」
それはうちが昔書いた小説だった。
「あはは…これって…」
口まで出かかった言葉が出てこなかった。
これって、咲希に書いてって言われて書いた小説。
「あ…はは…あーもうっ…」
笑う顔が引きつる。
「やめた…」
本棚の整理をする気分じゃなくなった。
お風呂にでも入って、気分転換しようかな…
➖ザッパァーッ…
「ふぅ~…」
温かいお風呂って、やっぱ落ち着くなぁ~
そいえば…
うちと咲希って、いつから話すようになったんだっけ…
たしか…中2の春だったっけ?
うちが1年の時に、仲良かった子と咲希が同じ部活で仲良くって…
何でか咲希とうちが仲良くなった。
たぶん、同じ小学校だったからかなぁ?
…今までに喧嘩なんてしたことなかったのに。
だから正直戸惑ってる。
里花は「はやく仲直りしてよー!」って言ってるけど…
咲希があんな態度だし、どーすることもできやん。
「ふぅー…あつ…」
そろそろ出ようかな…
➖パタン…
「さぶっ」
出たら出たで、また寒い。
➖バサァッ!
「ーーーッうぅっ…!」
寒いっっ!!
寒いよ!!
寝てるのに布団思いっきりめくられた!!
「起きろー」
「うぅ~…」
他にも起こし方あるやろ~…
もうちょっと気持ちのいい朝は迎えられないんすかね??
「あー…」
朝か。
ってことは学校か。
そんでもって咲希に会う。
……。
「トイレ…」
うっわあー、さぶっっっ!!!
「ん…?」
トイレのカレンダーが目に入る。
「今日は1月23日…」
ってことは…
んあっっっ!!!
委員会!!
あいさつ運動!!!
「遅れるーーー!!」
トイレから悲鳴が。
「うるさーーい!!」
……ごめんなさい。
何とか時間内に支度ができた。
「今日は16時半に帰ってこれる!行ってきます!」
我が家は(なんかそんな芸人さんいたな…)いってきますの前に、今日は何時に帰ってこれるかを報告しなければならない。
まぁ、わからんでもないけど。
「うふぅ~…さむいっ」
学校に着くまでに誰も会わんかったな…
(まぁ、みんなより早い時間に出たからね)
学校に着くと、ダッシュで職員室まで行って教室の鍵を取りに行く。
うちの学校では、教室一つ一つに鍵がかかっている。
安全対策らしい。
だから、教室に忘れ物でもしたらいちいち職員室に鍵を取りに行かなあかんくなる。
それが結構めんどくさいんよね~。
ふと時計を見ると7時52分。
……残り8分。
やばいやばい。
急いで準備して、自分のロッカーにカバンをしまう。
今7時56分。
……残り4分。
3年生の教室は2階にあるから、一気に階段を駆け下りる。
今は7時59分。
……残り1分。
めっちゃギリギリやし。
…でも。
「って、誰もおらんやん!」
しゃーなし。
みんなのも準備したろかな。
と、他の委員会の子達が来た。
「おはよ~。あ、いーよいーよ!男子のぶんは男子にやらせよに!」
「おけ~」
うちの所属する生活委員会は、朝に『あいさつ運動』なるものを定期的に行っている。
ただ単に、旗を持ってあいさつするだけだけど。
寒いし、まだ眠いし、朝だから声が出やんしの負のオンパレード。
…まぁ先生たちの気持ちもわかるけどね。
「はじめよか~」
校門の前に男女一列になって並ぶ。
はじめのうちは、あんまりこやんからヒマ。
ピークは8時15分~8時20分の5分間。
休む暇なく、
「はいざいまーす」(おはようございます)
を繰り返す。
「はいざいまーす」
「おはよーございます」
たまに友達が通るので、
「おはぁ~☆」
「はょ~☆」
通り過ぎると、
「おはよーございまーす」×2
と、山あり谷ありのテンションでございます☆
と、そこに…
「あ!里花!!はよ!!」
「おはよー!終わるまで待っとるわー」
わーい!
「あざ☆」
…と、いいつつ…
「はよーございますっ」
里花まで参加。
ちなみにうちは副委員長をやってて、里花も元生活委員、元副委員長。
そんな里花に感化されて今、この委員会にいるわけだが…
里花は制服が乱れすぎだ。
(人のこと言えないけど)
「25分~!!おわろー!」
無事にピークが過ぎ、あいさつ運動は終わった。
「集配、取りに行こう」
あ、そういえば今日は確か里花の担当だっけ。
「うん、いいよー」
待っててもらったしね~。
それにしても…うへ~、寒いね~。
「なー…」
「ん?」
里花が急に話しかけてきた。
「咲希とは…?」
あ…うん。
「ぜんせん…てか、喋ってへんし…」
「…そか」
➖ガラガラガラッ…
後ろからドアの開ける音がした。
振り返ると…
「げっ…」
「あっ、先生」
えっ、はよ教室に行かな!!
先生が教室に入る前に教室に入れば、これは遅刻にはならない!!
(という、我がクラスの謎のルールがある)
「いそげ!!」
集配箱を持ちながら、一気に階段を駆け上がる。
「ふぁ~…」
「ひゃ~、えらい…」
ちょうどその時、HR始まりのチャイムがなった。
「「セーフッ!」」
「妃絽!ウォータークーラーいかん?」
里花が誘ってくる。
だけど隣を見ると、そっぽ向いてる咲希がいる。
え~、咲希がおるからなぁ~。
「行かん」
「…ん~、後でなぁ」
はぁ…もう。
いらんお世話はやめてよな。
咲希も一人にされたからって、拗ねてんじゃねーよ。
ええやん。
舞がおったからさ。
今うち1人やで、本読むことしかできやんやん。
どーだい!
これでも怒るんか!
「妃絽~、1限目なんやったっけ~」
隣を見ると、里花がいた。
いや、はやっ。
さっきウォータークーラー行くって言ってたやん。
つか、予定黒板見りゃええやん。
「国語」
「お~、国語か!未定やったっけ?」
「どうせ、高瀬舟のCD聞くんちゃう?」
「え~~~」
いや、うちに「え~」言われても内容変えられへんて。
➖キーン コーン カーン コーン…
「はーい、座ってー」
ちっ。
国語はうちの嫌いな先生の1人が受け持っている。
中野先公。
「はい、始めまーす」
➖ガタガタガタッ
みんながバラバラに立つ。
「ちゃくせーき」
➖ガタガタガタッ
みんながバラバラに座る。
「今日は…えぇっと、ワークして~」
ということで、内容が未定だった国語はワークをする事に。
「…えぇ~、それもめんどい」
里花が後ろを振り返ってうちにだけ聞こえるように話す。
里花はうちの席の前だから、いっつも後ろを振り向く。
で、咲希は左隣り。
う~~ん。
こういう時って、己の運を呪うよね。
どこまでワークやったかな~。
ペラペラページをめくってると、あるものが目に付いた。
「こ…れ…」
それは前に、咲希がうちのワークに落書きした時のものがあった。
「…ぁ」
あの時は楽しかったなぁ…
3人で仲良くしてさー…
でも今は……
「ん?妃絽どうかしたか?」
あまりにボーっとしてたのか、先生が話しかけてきた。
「…ぁ、いやなんでも」
結局その時間は少ししかワークを進められなかった。
その日の午後の授業は、ほとんど頭に入ってこなくて、ある時気づいたら美術室にいて、また気がついたら掃除場所にいたり…
そして今は…
帰り道。
一体うちは何をしとったんや!?
下を向いて歩いていると、あの場所についていた。
「ここは…」
そこはよく、菜子、咲希とうちで喋っていたところだった。
「なんっ…でなん。どーして…」
1人で突っ立って小言を言う。
頭や体は嫌だって言ってるはずなのに…
心は素直なんだ…
足はひとりでに、思い出の場所へとうちを運んでくれていた。
「うちって…」
最近を振り返ってみても、咲希がおらんと毎日が楽しくなかったし。
…何より咲希との思い出の方が意外と近くにあったりして…
だから余計につらい。
咲希とうちは…仲直りできるんかな…?
うちは仲直りしたいんやろか?
「ハッ……!」
そーいや、何時までもここに突っ立っとられへんやん!!
「……帰る…か」
まだその場にいたがっている足を無理やり動かす。
あ…
明日も学校か…
遅刻したことあるけど、休んだことないんよな~。
それにお母さんも許さんやろし。
休める確率ゼロ以下。
行くしかないよなぁ…
ー想い出ー 完
次回 ー2人の共通点ー
♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*
こんにちは!
今回も楽しんで(?)いただけたでしょうか??
やっぱり仲いい友達と話した場所って、普段知らない人から見たらただの公園とかちょっとした広場でも、わたし達からしたら、特別な場所になったりするんですよね♪
皆さんはそんな経験、ありませんか??
今回はそんな章だったと思います!!
では、次回も楽しみにしてて貰えたら嬉しいです(*`・ω・*)ゞ
今日も見ていただきありがとうございました♡
ではまた次回、お楽しみに☆☆
