ようやく初めての訪問看護日がやってきました。

 

しかし当の本人は早朝におむつから漏れてないか確認した時から手が出てしまっており、若干機嫌が悪くいや〜な予感がしていました。

 

その日は入っていただいたSさんは私の5つほど年上の方で相談しやすいとても気さくな方です。

 

早速祖母の起床介助に入っていただいたのですが不安は的中。

 

祖母を起こして布団を捲るとすぐに手が飛んできました。でもやはりプロは違います。そんな祖母に間を与えることなく顔の清拭に入りました。

 

祖母の手を私が押さえると首を左右に振って嫌がったのですが、Sさんはそれに面白いように追従して顔を拭いていきます。

 

その後はあっという間につなぎを脱がせて下半身まで清拭を終わらせ、ミトンをはめていた手を丁寧に拭いてくださいました。

 

そして私が片手を押さえている間に祖母の罵声に「はいはいはい。」とあやしながらあっという間にミトンを装着。

私がやると軽く5分は格闘するミトンの装着を両手合わせて2分以内でKO!

 

現状祖母が一番嫌がるおむつ交換も「うんうんうん。」「ちょっとだけだよ。ごめんね〜。」「はい頑張ろう。」「いやだよね〜。はいはい。」と祖母の罵声に呼応しながらテキパキとこなしてくださいます。陰部洗浄もおむつの当て方もやっぱプロは違いますね。

 

ここまででわずか30分ほど

何事も息をするように簡単にこなしていくSさんを見て私はもっと前からお願いすればよかったと後悔しました。

 

食事介助も1時間以上かかることもある祖母なんですがこちらも30分ほど。しかも完食してくれました。

調子の悪い時は投薬を拒否してしまうので薬を食事に混ぜていたのですが、それをしなかったことで食べてくれたんでしょうか。

 

肝心の薬は水に溶かしてシリンジから投薬。嫌がって口を開けないのですがうまくシリンジの先を投入して下さってあっという間に終わりました。

口を閉じてるのに嫌いな薬が流れ込んできてびっくりしている祖母の顔は正直面白かったです。

 

最後に口腔ケア。これもいつも口を開けてくれなくて「嫌だ!」と叫んだ時に歯ブラシを突っ込んでちょっとだけ磨けて終了っていうのがいつものパターンでした。

 

ここまでいつもと勝手が違い困惑してる祖母はとうとう叫ばなくなり口を紡いでいました。一向に口を開けないので今回は無理かなと思ったのですが、Sさんは「口開かないね。じゃあごめんね。ちょっと頑張ろうね。」と声をかけると口の端から指を入れて口を開けさせるとそのまま何やら棒のようなものを押し込み開口をキープ。「うおっ。うおっ。」と声をあげる祖母を横目にいつもはできない奥歯や内側まで磨いていただきました。

 

そんなこんなで初めての訪問看護が終了。

 

状態が悪くなる前は介護拒否も見られず楽だったというのもありますが、もっと早くから利用していればとつくづく思いました。

 

Sさんが帰られると祖母は

「誰だ!二度といれるな!」と罵詈雑言。

 

本人も症状が重くなりわからないことが増えてストレスが溜まっていると思いますが、施設だけは嫌との兼ねてからの願い。早く慣れてくれることを祈るのみです。