夏座敷の御簾をリビングにしつらえ、日本の夏を味わう


 桔梗庵の茶室に御簾を掛けて、夏座敷のしつらえとした。本来なら間仕切りの襖を葦戸に入れ替えるのだが、クーラーの効きが悪くなるため、かなり前から葦戸は使わなくなったので、リフォームの折に何枚かをリビングの天井材として貼ってみた。

 御簾は極細い竹で作られる。また繊細な模様が編み込まれているため、御簾で仕切られた部屋から流れてくる人工的なクーラーの風は自然の涼風のごとく、夏座敷の風情を醸し出している。

 また、座敷(和室)でなくても、ちよっとした間仕切りに御簾をかけて、西瓜🍉やかき氷🍧を食べて、日本の夏を味わっている。

 竹は東南アジアを中心に日本や中国に生えているが、欧米にはほとんどないため、京都嵯峨野の竹林の小径にはいつも欧米のインバウンドが溢れている。

 コオロギや鈴虫などの声に日本人なら誰でも季節や情緒を感じるが、欧米人には耳障りな雑音にしか聞こえないという。

 欧米人には竹林の幽けき(かそけき)風の音は、どんな風に聴こえているのだろうか。