4月4日 入院 Day3、手術当日。 | 気胸と胸腔鏡手術の体験記

気胸と胸腔鏡手術の体験記

29歳で人生初めての気胸(原発性自然気胸)になり、玉川病院で胸腔鏡手術を受け、海外出張するまで。

6時起床。昨晩、下剤を飲んでいるので、まずトイレへ。
OS-1は無事に二本飲めた。

僕の手術は朝一番だったので、看護師さんにネームバンドを付けてもらい、
T字パンツをはき、弾性ストッキングという血栓ができにくいようにするのを履く。

▼9:15 いよいよ手術室へ。
 親と一緒に手術室の手前まで歩いていき、帽子をかぶり、自動ドアの奥へ。
 入り口でスリッパを履き替える。
 中には4つほどの手術室があり、そのうち一つに入る。

手術室に入ると、中には看護師さんが二人ほどいた(気がする)。
まんなかにベッドがあるので、踏み台からベッドへあがる。
ベッドは暖かくなっていた。
僕は右肺の手術なので、左手をバンドで抑えられ、手術衣の右側が開けられる。
足には弾性ストッキングの上から、血栓防止の機械を巻く。
心電図のケーブルを付けられると、自分の脈拍がピコンピコンと聞こえてきた。
さすがに緊張して、脈拍が急上昇するのが分かる。
ここで左手に点滴を刺される。
そう言えば点滴を打つのって、29年の人生でこれが初めてだな、とか思っていたら、
どうやら麻酔もこのタイミングで入っていったらしい。
1分ぐらいして、意識が飛んだ。


気付いたら、2,3時間の手術も、無事に終わったようだった。
目覚めたらナースルーム横の「リカバリールーム」という部屋にいた。
まずは五体満足に帰ってきたことに一安心。親も心配そうだったが、ほっとしていた。

体にはとにかく管とかがたくさん付いていて、
左手に点滴、鼻には酸素吸入用の管、右腕には血圧計が巻かれ、
胸には心電図の細いケーブルが4つ貼られていて、そして、右の脇腹からドレーンの管。
ドレーンを入れたのは初めてだったが、この日は動けないので、ドレーン自体は見えなかった。
かろうじて動くのは右手のみで、手のひらの中にはナースコールボタンが握られていた。

3時間ぐらいたつまでは、とにかく体のどこかが漠然と痛いのと、
麻酔で朦朧としていて、動けない。

ここで役に立ったのが腹式呼吸。
1吸って2吐くようにと教わったが、最初は呼吸が浅いので、2吸って4吐くような感じ。
とにかく3時間は、少しも動かず(というか動けず)、こればっかり繰り返していた。

3時間経つと、次第に意識がはっきりしてくる。
ここで布団が暑いので、めくってもらった。
自分は割と痛みが少ない方らしく、3時間経ったときに看護師さんを呼んで、iPhoneで音楽を聴き始めた。
ただし次第に麻酔が覚めて、意識がはっきりしてくると、
体の節々で痛みを感じるようになった。手術当日は仕方ない。

手術後はよくあるらしいが、熱が出で37.2℃ぐらいになった。
枕の代わりにアイスノンにしてもらう。

6時間もすると、水が欲しくなる。
自分は身じろぎもせず8~9時間は耐えていたが、
さっさと看護師さんを呼んで、少しうがいとかやってもらったら、
もうちょっとは楽だったかもしれない。

18:12 手術から9時間ほどして点滴のうち抗生剤を外す。
 と言っても、左手に刺さった針は一本なので、特に違いはわからない。

あと、右腕に巻いてある血圧計も外してもらったら、すごい楽になった。爽快感!


▼痛みについて。
これは人それぞれだと思うが、僕はそれほど手術した部分の痛みは無かった。
僕の手術は事前の説明どおり、ボール熱電球でブラの疑いがある部分を焼いてメッシュしただけで、
切除が無かったことも、痛みが少なかった要因かもしれない。
痰も出なかった。花粉症なのでくしゃみが心配だったが、これも大丈夫だった。
(ちなみに、くしゃみがまともにできるようになるまで3週間ぐらいかかった)

ただし、一つだけ、どうしても辛かったのが「腰痛」だった。
俺はそれほど腰痛持ちでは無いんだけれど、寝たきりでいて、
寝返りも打てないため、腰に負担がかかって、この痛みが辛くて辛くて。。

夜中にナースコールで看護師さんを呼んで、
腰の下に枕をいれてもらったことで、若干、楽になった。


▼排尿(おしっこ)について。
手術当日は何も食べれないし水もちょっとづつしか飲めないが、
点滴がずっと流れているので、実はおしっこがしたくなる。
この感覚はよく分からなかったので、尿意がしたとき、
ほんとにおしっこがしたいのか、最初は分からなかった。

しかし7,8時間もすると耐え難くなり、
ナースコールで看護師さんに、しびんを当ててもらった。

30歳以上だと膀胱炎になるリスクがある等で手術時に尿管が入れられて、
これ経由で尿が流れていくらしいが、29歳以下は尿管が無い。
だから自分で看護師さんを呼ぶしかないのだが、恥ずかしさをかなぐり捨て、
さっさと呼んだ方がいい。
寝たきりで、ただでさえ我慢がいるのに、おしっこまで我慢したらつらいから。

寝たままだと尿しづらいので、すこし背もたれを上げてもらう(ベッドアップする)と楽。
これは看護師さんと相談。

個人的には、しびんを当ててから、こちらが呼ぶまで看護師さんも見に来ないのは助かった。
けっこう時間かかるけど、どうですか?とか聞かれたら気まずいからね。


この日も夜になると暇なので、iPhoneに入れておいた「トイストーリー3」を見る。
こういう弱っているときに、鉄板の感動モノを見ると、なんだか気分が晴れて、前向きになれた。


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