今日は演歌を幾つか置かせていただきましょう。
北島三郎さんの「与作」……歌の舞台は何処でしょう? 東北の何処かかなと思いますが、残念ながら、我が福島県ではないようです。秋田県がそうかなと、店主は思っております。
曲調、曲想について言えば、朴訥で、飾るところが少しもない。濃厚な鄙びの日本の原風景があるばかりであります。
そうでありながら、非常に強く胸を打ち、魂に語り掛けてくる。
実にいい曲ですね。
石川さゆりさんの「天城越え」……実にいいですね。こうした演歌の名曲は本当に自然に耳を澄まさせられます。
フランスにはシャンソン、アメリカにはジャズ、ブルース、ラテン世界にはタンゴ、ルンバ、レゲエがありますが、わが国には演歌がある。こうした曲はお国の宝だと、店主は思います。
同じく、石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」……これもいいですね。厳冬の吹雪の中を荒波に揉まれながら航行する連絡船。そして竜飛岬と来れば、涙が頬を伝わらないほうがどうかしているでしょう。
石原裕次郎さんの「恋の街札幌」……大昔、東京にいた頃、行きつけのスナックで彼女とよくカラオケでデュエットをした曲です。ほかにロスインディオス&シルビアさんの「コモエスタ赤坂」なんかもよく歌いました。懐かしいな……。
松村和子さんの「帰ってこいよ」……とてもいい曲です。歌詞から伝わる情景が泣かせますね。東京に行った可愛いあの子は、残念ながら、戻って来ることはありますまい。田舎に残った青年は恋人の帰りを待ちながら、男泣きといったところでしょうか。
「お前の嫁に欲しかったね」と、お袋、今夜も独り言♪……何とも遣る瀬ない歌ではございます。
ちあきなおみさんの「矢切の渡し」……この曲は亡父が大好きでした。従って、店主にすれば、この曲は亡父への鎮魂歌でもあると言えるものでございます。
今、キーボードを打ちながら、YouTubeで聴いておりますが、親父の笑顔を想い出して、涙腺が反応し出し、ちょっと困っております。
店主も、将来、周囲の人々に「涙もろいお爺ちゃん」と言われるようになるのでしょうね、きっと。
皆様も、どうぞ、ご清聴のほど。