昔の名作西部劇「シェーン」のテーマミュージック、ヴィクターヤングオーケストラの「遥かなる山の呼び声(The Call For Far Away Hills)」……実にいい曲でございます。映像もストーリーも、もちろん素晴らしくて、シェーンを演じたアラン・ラッドさんが燦然と光り輝いておりましたね。
好きな映画なので、DVDで2、3年に一度の頻度で、鑑賞しております。
恐らく、この映画はアメリカ人の心の故郷のような存在なのではないでしょうか? 古き良きアメリカ。それがそっくり一つの映画となって、今に至るまで、観継がれ、聴き継がれている。そんな気がいたします。
ぶっちゃけた話、アメリカの野郎どもはとにかく腕っぷしで勝敗を決するのが好きですから、作中の乱闘シーン、対決シーンは映画館の中で、拍手喝采物だったでしょう。
銃撃、撃ち合いも、カウボーイの国、アメリカでは、人々にとって、ごく身近な、日常の一コマ的なものとしてあり続けてきました。何しろ、一般人が銃を所持できる国ですからね。
日本で言えば、侍が刀を抜いて斬り合うチャンバラのようなものでしょう。武士が帯刀を許されていた時代、日本刀は庶民にとってごく見慣れたものだったでしょう。
けれども、シェーンの本当の素晴らしさは、その見事なガン捌きもさることながら、正義と勇気という人類共通の二大徳目を体現している点にあります。そこがこの作品の最大の美点でしょう。
終幕、去り行くシェーンに少年ジョーイが叫びます。
「Shane Come Back!」と。
このエンディングシーンは忘れ得ぬものであります。
とてもいい曲でございます。
皆様も、どうぞ、ご清聴のほど。