きっかけは、私が虫垂炎で入院した事でした。

お見舞いに兄夫婦が来てくれてお姉ちゃんと色々おしゃべり。
姉は浜崎あゆみさんが大好きなので、所謂『あゆ話』で盛り上がりアップ
私は最近はあまり聞かなくなってしまっていましたが
デビュー当時から好きでどっちかというと結構曲も知っている方かと…。

あの曲いいよねーとかあゆの指輪とか可愛かったとか色々と話が盛り上がり
今度のコンサートに兄の代わりに一緒に行かないかと言ってくれました。
震災で中止になったコンサートが10月にあるから兄はそれに行けばいいし
せっかく東京にいるんだし代々木で日本を代表するアーティストのコンサートに行ってみるのも
物凄くいい経験になると思うって。
兄がちゃんと車で送り迎えをするし、せっかくだから行っておいでって。

それから私は7月24日に向けて体調を整えることを最優先に過ごしました。
行ってみたいという気持ちはありましたし
何より、兄とお姉ちゃんがあんな風に誘ってくれたからです。

コンサートは初めてではありません。
実は武道館とかも行った事があります!!
でも、殆どは松山とか広島の時に行った事があるぐらいで
この病気になってからは人ごみは避けたいから…。
正直、行けると思っていませんでした。
だからこそ、今回のコンサートは凄く楽しみにしていました。
一生に一度の事かもしれないし、次はないかもしれない。
無理だと諦めていたことがひょんな事から可能になった…。
まさに棚から牡丹餅?
私には無理だと明確に諦めていたわけではありませんが
こういうことは無理だろうと思う事は沢山あります。
その中の1つが、突然、舞い降りた感じです。

寝る時も浜崎あゆみの曲を聞くようにしたり
24日が近づくにつれ、私なりに準備をしていきました。
何を着ていくか。暑いだろうしスカートより動きやすいパンツの方がいいかな。
持っていくものは何がいるだろう。お水は多めに持っていたいし…。
カバンは邪魔にならないように大き過ぎない方がいいよね…。


前日。
お姉ちゃんから『明日、大丈夫?』というメール。
本当はもっと前に、『コンサート楽しみにしてます』ってメールを送ろうと思っていたのに
連絡が遅くなってしまった事に反省。
私が楽しみにしている事が伝わらないかもしれないと思ってすぐに返事しました。
『大丈夫です。凄く楽しみにしています』

それから・・・ちょっとしたボタンの掛け違いが生まれました。

コンサートグッズを買うので早めに行くというお姉ちゃん。
せっかく一緒に行くのだから私も一緒に並んで買うのが筋だろうと思いました。
なので、『私も一緒に行きます』って返事をしました。
でも、早めに行き、この天候の中並ぶというのは不安が残りました。
兄に『グッズ買うのに疲れて本番楽しめんならんようにね』と言われ
本番を楽しむ為には、グッズは諦めた方がいいかもしれない…。
退院後、そんなに体力が回復しているわけでもないし
外出もしていないので、『もし…』『万が一…』を考えてしまいました。
お姉ちゃんと言っても、もちろん仲良くしてもらってますが
数える程度しか会っていません。
迷惑をかけたくないと思い、兄とお姉ちゃん宛にメールをしました。
『不安なのでグッズは諦めてコンサートが始まる前に行きたい』

姉から『分かりました』というメール。
それまでフレンドリーな口調で絵文字も沢山あったのに
急に丁寧な口調になった事で、私はお姉ちゃんを傷つけてしまったと思いました。
せっかく一緒に楽しもうとしてくれていたのに
私は、そんなお姉ちゃんの気持ちを踏みにじんでしまった。。。
これで一緒に行ったらもっとガッカリさせてしまう。
もっと傷つけてしまう…。

だから止めようって思い、兄にメールをしました。
『やっぱりお兄ちゃんがコンサート行って来て』と。

頭の中では分かっているんです。
お姉ちゃんはきっとメールの口調に深い意味はないと。。。
でも、私には耐えられず逃げ出そうとしてしまった。

それから兄から電話がかかってきても出ませんでした。
母と兄が電話で話していても
私は『嫌だ。出たくない』そう言って全てを拒絶しようとしました。

母に、とりあえず行くにしても行かないにしても兄と話しなさいと言われ
折り返しかかってくる兄の電話にやっとの思いで出ました。

もう、申し訳なくて何を口にしていいかわからない。
自分の気持ちをどう話していいか分からない。
でも、口にしないと伝わらない。
なので、私はお姉ちゃんをがっかりさせて傷つけてしまったから
もう私は行かない方がいいと思うと伝えました。

兄には意味が分からなかったと思います。
でも、こう言ってくれました。
『誰でも一緒に行くって言ってくれてたのが行けないって言われたら少しはガッカリするのは分かるよね?』
『でも、そこで〇〇がコンサートまで行かないって言ったらもっとガッカリさせてしまうって分からん?』
『そんなに人の事を大事に思えるのに、何で一番相手を傷つけてしまう事を選ぶの?』

いい人ぶるつもりもキレイ事を言うつもりはありません。
私は兄にこう言われるまで分かっているようで分かっていませんでした。
確かに相手を傷つけてしまったら物凄く落ち込みます。
それ故に少し傷つけた事でその人の前から消えようとし
もっともっと傷つけていた事に気付いているようで気付いていなかった。。。
わざと目を背けていたのかもしれない。

今まで『お姉ちゃん』と書いてきたように
兄のお嫁さんという事はこれからずっと私の姉です。
今回初めて、私の病気は私だけの問題ではなくなってしまうのかもしれないと感じました。
お付き合いをしている段階なら家族の病気なんて関係ないかもしれない。
でも、結婚するということは家族になるという事。
どんなにお姉ちゃんの前でそういう(病気の)面を出さないようにしたって
それにはどうしても限界があるのも知りました。
こんな厄介な妹がいると思われたくなかった…。
私のせいで兄がマイナスに思われる事だけは避けたかった。
でも、そんな風に接する事を私の家族は誰も望んでいなかった。
そして何より、兄はそんな私を邪険に思うような相手を選ぶはずがなかった。

本当にかなり昔の話です。
その時、次兄は恋人と別れた所でした。
次兄に直接言われたのか他の家族から聞いたのか
ちょっと忘れてしまいましたが…。
『妹の話をしても、(そんな話)私にしてもどうにもならないでしょ?』という態度を取られるのも嫌だった、と聞きました。
兄も私の前では見せなくても、私の事を気にかけ恋人に相談や聞いてほしい事があったんだ…。
その時も、私はみんなに悪い影響を及ぼしてる…。
そんな風に感じました。


お姉ちゃんは前日になって行く行かないと騒ぎ立てた私に何も言わず
当日、『欲しいグッズあったら買っておくよ』と連絡をくれ
一緒に代々木に行ってからもまだグッズが買えたので一緒に並んで買ってくれました。
常連のお姉ちゃんは、コスプレの人や応援団みたいな人の事を教えてくれたり
本当に、私と一緒に楽しんでくれました。

行きも帰りも送り迎えしてくれた兄。
パニックを起こしてせっかく楽しみにしていたコンサートに水をさしてしまった私を
何も言わず、温かく受け入れてくれた姉。
そして、次回詳細を記載しますが
最高のパフォーマンスを見せて下さった浜崎あゆみさん。
魅了されない人なんていないと思うほど素敵なコンサート。
歌の力。
歌の魅力。
そして、『一緒に…』と思ってくれている事が凄く伝わり
だからこそ、こんなにも多くの人が共に同じ時間を過ごしたいと思うんだと感じました。


最高のプレゼントを私は貰いました。


どんなにプレゼントをあげたくても、相手が受け取ってくれないとそのプレゼントはプレゼントですらなくなり
負の感情を負ったモノになってしまう。
それは、助けたいと思い、どんなに手を差し伸べても
差しのべられた人が気付かなければその手は只の手にも戻れない。
『プレゼント』って気付く事。
『差し伸べられた手』に気付く事。


今回、私は『気付く』大切さを知りました。
きっと今まで差し伸べてくれた手に私は気付かずに過ごしていた。
これからは、気付きたい。
そして、出来れば、助けて貰いたい時、自分から助けてと手を伸ばしたい。

言葉でこの感謝を伝えるのは長くなるし難しいので
この場を借りて。

お兄ちゃん、お姉ちゃん、本当にありがとう。
また、迷惑をかけるかもしれないけれど
こんな妹を宜しくお願いします。


浜崎あゆみさんコンサート感想は次回へ。