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告られた回数は覚えていない。
でも、自分から告白しに行ったのは、一度だけ。
バレンタインデーに彼のバイト先までチョコ渡しに行った。
ラブレター付き。
彼も悩んだんだろう。
一週間後、返して来た。
デパートの包装は開けられた形跡すらなかった。
「ダメだ」
といったようなことしか言わない彼を詰問し追いつめ、
「私のこと嫌いなら、嫌いってはっきり言えばいいじゃない!」
とキレて言い、無理矢理、
「嫌い…だ」
と彼に言わせたのは私。
そう言った時の彼の顔は苦しそうだった。
あの時の彼の顔は今でも覚えている。
二年も側にいたのにね。
私たち相棒ではあったよね?
壊してしまうのは、簡単過ぎた。
彼の廊下を歩く足音。
ドアノブに手をかけ回す時のちょっとした間合い。
それが私のいる場からは遠ざかって行った。
露骨に避けられた。
無理矢理言わせた私が悪い。
当然の報いだ。
それでも傷つかずにはいられなかった。
ドアノブを回しかけていたのに、開けずに彼が去って行ったのは、私のせいだとわかっていたから……。
返されたチョコレートは食べずに捨てた。
だから、あの時のチョコレートの味が甘かったのか苦かったのかは私にはわからない。
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