サーキットの狼では最終盤に登場した風吹のライバル役、神藤速人。
その名の通り本当に速い人で、これまでの風吹のライバルより手強くて、かなり強気
元天才サッカー選手⚽️で、サッカーはもう極めたとのことでドライバーへ転身
谷田部のオヤジさんが、サーキットに集まっていた記者たちを前に、F1チーム「神風」の参戦発表をした際に初登場。
この時、集まっていた記者たちは、神藤を見てすぐにサッカー界の国際的スーパースター、日本人で世界に通用したただひとりのサッカーマン、と既に彼が有名人である事を認識していました。
サッカー界で、具体的にはどのような成功をおさめたのか?判明していませんが。
谷田部のおやじさんいわく、ここ一年開発をしてきたということから、神藤は77年からチーム入りしていたことになります。
そしてここ半年の間(78年?)に富士GC,JAFグランプリとたてつづけにに勝っていることから、日本国内では少なからずサッカー界から転身したレーサーとして話題になってもよさそうです。
いったい本当に情報が漏れずに開発できたんでしょうか?神藤は世界で有名でも、日本での知名度は低かったのか?
もしかすると、このF1プロジェクト自体が全く注目されなかった…というのが実情かもしれません。
生意気キャラというか、風吹に対してライバル視がすごい
かなりのビックマウスと思いきや、本当に好タイムを出しているので何も言い返せない…
以前、F1TV中継でおなじみの森脇基恭さんの講演を聴いた時に、「F1までステップアップしてくるようなのは、ちょっと性格悪いくらいのドライバー」という趣旨のことをおっしゃっていました。
神藤くらいの物怖じしない人物じゃないと、世界で活躍できないのかもしれませんね
風吹より速いタイムを出しているのでこんなに自信に満ち溢れているのでしょう
新規参戦のF1チームなら、実績のあるドライバーに開発を任せたほうが確実だと思います。
しかしモータースポーツ分野ではまったく未経験のはずの神藤が開発したマシンが、初出場した78年第7戦スペインGPで予選6位を獲得したことから、開発能力がかなり高く実力者、まさに名前の通り神童(笑)なのでしょう。
レストランでも店員さんからサインを求められるほどの人気っぷり
それに対して、風吹は店員さんたちにF3ボーイと呼ばれて、完全に格下扱い。
コースに出ても実際に風吹は、神藤との差を見せつけられることになります。
F3時代に風吹が手こずった相手、ジョージプライスに対しても引かない精神力やドライビングスキルなど、やはり並みの新人ではないでしょう
決勝は予選6位からスタート
ニキラウダがわざとスキを見せるという、狡猾なワナにかかりスピンしてしまう10周目あたりまでは、著名なレーサーを従えて5位を走行。
決勝では最後尾からポジションを上げてきた風吹を本物の男として見直すことに
このレースではお互いにシャーシ剛性不足によりリタイヤ
チームのNo. 1ドライバーの名誉をかけて争っていましたが、風吹の実力を認めてレース後には握手。
マシンを降りればノーサイド
翌79年第6戦ベルギーGPに、チーム神風がニューマシンゼロ戦009で参戦。
日本人3人が全て上位に!
予選
ポールポジションが風吹
2番手は飛鳥兄ィ(78年F2シリーズ同ポイントチャンピオン・F1デビューレース)
に続いて3番手を獲得
3人ともほぼF1の新人にもかかわらず、上位を占めるとはすごい活躍。
神藤はスタートから飛鳥兄ィに続いて35周目まで2〜3番手をキープ
しかし風吹のペースに置いていかれるようになってから、後続のプレッシャーに負けてスピン。
一旦9番手辺りに後退したようですが、その後また持ち直し、3位争いの集団の最後尾(7位?)につけているところで、彼の出番は終了。
これが神藤最後のセリフ
最終的には3位まで順位をあげることは出来たんでしょうか?
リザルトは各々の妄想に任せるということに
風吹と飛鳥兄ィには若干劣るかもしれませんが、デビューから上位を走れる日本人というのは、かなり有望なドライバーといって差し支えないでしょう
神藤がこのまま継続参戦していれば、何度か優勝するチャンスがあってもおかしくないと思います
F1で活躍する日本人ドライバーに期待する自分としては、現実のF1でも本当に優勝シーンを早く見てみたい
池沢先生が70年代後半に夢見た、F1で活躍する日本人ドライバー。
残念ながら、未だにここまでの日本人はでてきていませんが、優勝、そしてチャンピオン獲得できる日本人選手の出現が、早く現実のものになって欲しいものです