「売れる、とは」

落語家になると決めた時は「売れたい」と漠然と思ってた。落語家として評価が上がればマスコミにも登場するんだ!などと。

「売れる」って何だろうと最近改めて考える。

落語に対しての姿勢はその頃から基本的には変わってない。つまりは「赤い血が流れる落語をやりたい」ってこと。


自分が「好き」「良い」と思える落語を披露する機会があって、それに賛同してくれる人がいればこれはありがたいこと。


もちろん僕にも欲があるから、高座の数も認めてくれる人も少ないよりは多い方が満たされる。これが多くなってくると「売れてる」と思うかも。

別に、電車の中で「あ!落語家さん!」などと指をさされたいわけではない。

やりたいことをやり、やりたくないことはやらない。単純なことだ。けど、僕にとっての「売れる」ってそういうことなのかなと思う。

やりたくないことをやってまでお金持ちになりたくはない。僕は「動物園」なんて落語は生涯やらない。百万円で頼まれても、ね。

古今亭菊志ん