11月16日池袋演芸場。
ぼくが高座に上がって、お辞儀をして頭をあげた途端にお客席で気味の悪い音が、
ピー、
ピー、
ピー、
ピー
携帯の着信音です。しかも公演の最中だというのにしばらく鳴り続け、周りのお客さんたちも「しょうがないな、誰かな?」と周囲を見回し始めました。仕方ないので、ぼくも高座から
「どなたか、電話が鳴ってますけど?」
と。
スタートしてすぐに足を引っぱられたようになってしまったぼくは、世間話とも愚痴ともとれない駄話をしながら、頭では何の落語をやろうかと考えていました。
そこで、観客席入り口のドアがぎぃぃと音を立てて開いたのです。
驚いてそこにいたほとんど全員がそちらの方向をみたのですが、
お客さんでした。
それらの出来事をうけて、落語本題に入りました。落語の中にそれらの出来事や、他の楽屋話などを織り込んでみました。場内の空気は、しっかりとした伝統ある古典落語を聴くと言うよりは、ライブならではの雰囲気を楽しむ風になっていました。
しかしぼくは、話をしながらも違和感をおぼえました。ぼくを、いやぼくとお客さんを、俯瞰している気配に気づいたのです。
そしてみてしまいました。客席後方に物静かに座っている中年男性の姿を。現世をどこか暗い場所から俯瞰していたに違いありません。あの顔は絶対この世のものではないです。そしてさらに戦慄が走りました。客席前方に…
何やら影のような…。
みていると、目をつぶった男の顔にみえてきました。
生きているなら、あの騒がしい状況で目をつぶっているはずはありません。何らかの生体反応をするはずです。たとえば振り返るとか。
寄席通いにはまってはまって、新聞社の券を入手してまで通って…
とうとう死んでしまった男が成仏できずにいるのでしょうか。
寄席は、幽霊と未就学児童は入場不可にしたらいいのに。
古今亭菊志ん
http://kikusing.com
ぼくが高座に上がって、お辞儀をして頭をあげた途端にお客席で気味の悪い音が、
ピー、
ピー、
ピー、
ピー
携帯の着信音です。しかも公演の最中だというのにしばらく鳴り続け、周りのお客さんたちも「しょうがないな、誰かな?」と周囲を見回し始めました。仕方ないので、ぼくも高座から
「どなたか、電話が鳴ってますけど?」
と。
スタートしてすぐに足を引っぱられたようになってしまったぼくは、世間話とも愚痴ともとれない駄話をしながら、頭では何の落語をやろうかと考えていました。
そこで、観客席入り口のドアがぎぃぃと音を立てて開いたのです。
驚いてそこにいたほとんど全員がそちらの方向をみたのですが、
お客さんでした。
それらの出来事をうけて、落語本題に入りました。落語の中にそれらの出来事や、他の楽屋話などを織り込んでみました。場内の空気は、しっかりとした伝統ある古典落語を聴くと言うよりは、ライブならではの雰囲気を楽しむ風になっていました。
しかしぼくは、話をしながらも違和感をおぼえました。ぼくを、いやぼくとお客さんを、俯瞰している気配に気づいたのです。
そしてみてしまいました。客席後方に物静かに座っている中年男性の姿を。現世をどこか暗い場所から俯瞰していたに違いありません。あの顔は絶対この世のものではないです。そしてさらに戦慄が走りました。客席前方に…
何やら影のような…。
みていると、目をつぶった男の顔にみえてきました。
生きているなら、あの騒がしい状況で目をつぶっているはずはありません。何らかの生体反応をするはずです。たとえば振り返るとか。
寄席通いにはまってはまって、新聞社の券を入手してまで通って…
とうとう死んでしまった男が成仏できずにいるのでしょうか。
寄席は、幽霊と未就学児童は入場不可にしたらいいのに。
古今亭菊志ん
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