『ホークス前線異常ナシ41〜ヒーローファミリー』
登場人物
斜見 絢(はすみ あや)
斜見基裕(もとひろ)
斜見恵都(ケイト)(cv:悠木 碧)
咲希(サキ)
私が娘のケイトと帰宅した時、玄関に夫と女性の靴があった。それはどこか見覚えがある靴で・・・。まさかね、と思いつつ私はケイトに部屋にいるよううながした。リビングに人の気配はなかった。トイレもバスルームも。探す場所はもうここしかない。私たち夫婦の寝室。聞き耳を立てても物音はしない。夫の靴はあったし帰ってるはず。なら、もうひとつの靴は誰の？最悪なケースを想定しながら静かにドアを開ける。私たち夫婦のダブルベッド。毛布が膨らんでいる。誰か寝ている？そっと覗き込むと寝ている夫と・・・誰？夫が目を覚ました。私の顔を見て慌てふためく。
「絢！！帰ってたのか」
私は引きつった笑みを浮かべ
「基裕さん、何してるの・・・？」
夫の横で寝息をたてているのは
「違うんだ！！これは・・・」
「何が違うの？私とケイトが出かけてる間に何やってるの？」
「んっ・・・なに・・・うるさいっ」
私のあまりの剣幕(けんまく)に隣で寝ている「女」が目を覚ました。神様、どうか夢であってくれ・・・何度も心に願った。だが1度起きてしまった目の前の最悪の現実は変えられない。
「キャッ！？なによ、今日は帰らないって」
夫の横で下着姿の「女」は
「サキちゃんよね？基裕さんと何やってるの？」
私の親友で幼なじみの咲希ちゃんだった。
「アヤちゃん・・・」
こんな状況でも私は何故か冷静だった。
「2人とも着替えて。リビングに集合」
リビングには私と夫の基裕さんと幼なじみの親友で浮気相手のサキちゃん。
「どうしてこんなことに・・・」
頭を抱える私に
「俺から誘ったんだ」
口火を切ったのは夫の方だった。
「私の親友に手を出すなんて。よりにもよってなんでサキちゃんなのよ！？」
「ごめんなさい、来たいって言ったのは私・・・本気だったの」
「違うんだ、俺から一方的に想いを告げて」
「だけど不倫は嫌だって」
「いい加減にして！！何なのよこの状況は！？つまり2人は」
基裕「俺が悪かった！！」
咲希「ごめんなさいっ！！」
ハイ、不倫確定だ。詰んだ。人生終わった。
「最悪だね、2人とも・・・私の留守中に」
「いつか言わなきゃって思ってた」
「私の何がいけなかった？何が不満だった？ケイトが産まれてから回数減ったから？構ってあげられなかったから？ねぇっ！！どうなのよ！？」
私は立ち上がり夫の胸ぐらを掴み揺さぶる。あまりの剣幕に
「アヤちゃん落ち着いて！！」
「あんたは黙ってなさいよ！！よくもまあ・・・いけしゃあしゃあと・・！この泥棒猫ッ！！」
「ハア〜！？言わせておけば・・・だいたいあんたが悪いんでしょーが！！」
「はぁ〜・・・！？私のどこが悪いって
言うのよ！？言ってみなさいよ！！」
「2人とも落ち着いて！！」
「横から口出すなっ！！あんたがこの騒動の火種なんでしょーがっ！！そんなに私と別れたかったかっ！？離婚かっ！！娘も小さいのにこれからどーーーーすんのよ！？もうっ！！」
「ママぁ・・・どうしたの〜？」
あまりの騒動に娘のケイトが部屋から出てきてしまった。私は膝から崩れ落ちるように小さな娘にすがった。
「パパとサキちゃん、ママぁ、どうしたの〜？」
小さいながらに何が起こったのか悟ったように
「ケイト・・・パパはママよりもサキちゃんがいいんだって。パパはもうダメ・・・しばらく会えなくなるね」
「絢、そんな言い方」
「だってそうでしょ！！基裕さん・・・」
私は夫に向かって。
「わかったから。もう別れて？別れましょう。サキちゃんがいいならサキちゃんのところへ行けばいい」
「絢・・・」
「アヤちゃん・・・」
私は至って冷静に振舞った。
「サキちゃん・・・正直、浮気相手が知ってる人で・・・あなたでよかった」
「アヤちゃん・・・ごめんなさい、ごめんなさいっっ！！」
親友は膝から崩れ落ち涙を流す。
「咲希ちゃん・・・絢、ごめん」
私は夫よりも先に親友の肩を抱き。
「だって・・・他の誰かだったら絶対許せない・・・私はサキちゃんのことなら何でも知ってるから・・・人柄も性格も。だって昔からの付き合いだもん」
「うん・・・うんっ・・・」
「基裕さんのこと、よろしくね。付き合うと決めたなら一生離さないで」
「わかった・・・一生大事にするっ！！」
私はサキちゃんと抱き合い号泣した。
「パパ〜ぁ、ママよりサキちゃんがいいの？パパはもうおうちにかえれないの〜？」
「ケイト・・・ダメなパパでごめん」
「うう・・・っ、ダメじゃないっ、ひっ、ぐすっ、パパはダメじゃないもんっ・・・いいパパだも〜ん！！わあああああん！！」
こうして私たちの5年と短い夫婦生活は破綻(はたん)した。
「ケイト・・・これからはママと2人で暮らすの。今まで通り、何不自由ない生活をさせてあげるからね」
〜42へ続く〜
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ノリでサラッと書けた_:(´`」 ∠):_ごめんなさい基裕さんil||li＿|￣|○ il||l稽古マジで頑張ってください‼️ステージで必ず逢いに行きます。