クララがレイさんに切り出した、
「はなちゃんのみそ汁」とは。
もうすぐ広末涼子主演で映画化もされるのだが、
元は新聞の連載(だっけ?)が異例のベストセラーになったもので、
24時間テレビでドラマ化されたことでも話題になった。
おおまかなストーリーは、
「乳がんで余命宣告された母親が、5歳の娘はなちゃんが1人でも生きていけるように、みそ汁作り他、生きていくための「必修科目」である家事を教える。
規則正しい生活と食事療法により、闘病するも、33歳で他界。
嘆き悲しむ父親を、娘のはなちゃんは、朝ごはんを作って励ます。
「毎朝、朝ごはんを作る」それはお母さんとの約束でもあった。
やがて、朝ごはんだけではなく、夕ご飯、お弁当と作れるようになり、現在も父と娘の2人支え合って生きているのである」
※この要約はクララの解釈であり、原作者の意図とは違う可能性があります。
このお父さんの講演会に参加する機会があったのだが、
参加者はみんな一様に、涙を流していた。
「感動した」という感想がほとんどだった。
が、根がひねくれているクララには、ちょっとだけひっかかるものがあった。
『この強くて優しくてユーモアのあるお母さんが、自分の母と重なって見える』
私にとっての母のイメージってまさにこんな感じ。
「食べることは生きること」
「ごはんとみそ汁は元気をくれる」
この考え方は、同じ。
さらに、彼女の言葉こんな言葉、
《私は、がんになった後に、ムスメを授かりました。だから、この子を残して、死ななければなりません。(中略)だから、厳しいと揶揄されようとも、彼と彼女が自分の足で生きていけるようになるまで、心を鬼にして、躾をするまでです》(2008年2月16日)
↑まさに、母が言いそうな言葉である。
こないだ出てきた母からの手紙の中にもとてもよく似た言葉が書かれてあった。
では、なんで??
なんで、はなちゃんは無気力になってないの?
どうして今も元気に、お母さんの言いつけをまもってお父さんを支えてるの?
ピアノの練習や部活動、勉強、どれも精力的に取り組む、とってもいい子に育ったの?
※現在中学生。
やっぱりそれは、こんなにいい母に育てられながら、その思いに応えずに怠けてばかりいた私が悪いのではないか?
はなちゃんの母と、私の母。
多分、世間的にはどちらも素晴らしい母だと思う。
でも、どう違うの??
それがわからなくてモヤモヤしていた。
だからレイさんに聞いてみた。
そしたら、
レイさん「それは前提がちがいますもん」
クララ「はい?」
レイさん「クララさんのお母さんは、『この子はダメだから、いろいろ教えなきゃ』って前提でやってるでしょ?
だから、この子はダメのダメの部分が、クララさんに刷り込まれてしまってるんです」
クララ「そうなんですか??」
よくわからない。
クララ「母は私をダメな子だと思っていたんですかねえ」
レイさん「あの手紙読んだらもう、あきらかじゃないですか。もちろんお母さんも必死だったとは思いますけど」
クララ「そうでしょうか……母は、私にダメな娘でいて欲しかったのかな?」
レイさん「なんで、そんなわけないでしょ」
クララ「いえ、いますよそういう母親」
母の姉L子がそうだ。
子供になるべく「ダメな息子、娘」でいて欲しい母親。
そして、そんなダメな子供を自分が庇護することに喜びを感じるL子。
L子の息子で、私の従兄は、一度も働いたことがないニートのまま、50になっているはずだ。
……まあ、どうでもいいけど。
母はそれではないらしい。
クララに「1人で生きていけるしっかりした娘」になって欲しかったと私も思う。
けど、そのために、クララのダメなところを、ダメ出しし続けたことで、クララのダメな部分を余計ダメにして、自己肯定感も下げてしまった。
……ってことでいいのかな??
でもいまいち、よくわからない。
※これをわかりやすく見せてくれたのが記事「意見を聞かないレッスン 」の先生かもしれない。
クララ「しかしわかりにくいですね。はっきり殴ってくれたりすればわかりやすいのに……」
レイさん「けっこう殴られてますよ。エネルギー的には」
クララ「うっそでしょ~! でも、それ見えないし……」
レイさん「わかりやすかったら、クララさんは選ぶことができるでしょ?」
クララ「??」
レイさん「わかりやすい環境だったら、クララさんは真実を選ぶことができるんです。たとえその結果自分の命が奪われることになってもね」
クララ「え、そ、そうなのかな??」
レイさん「そうですよ。だから表面的にはわからない、でも背後で動いているものを見極めるレッスンなんじゃないですか?」
レイさんの言うこと、全部わかったわけじゃない。
クララの母がはっきりわかりやすい毒親じゃなくて、
一見、すばらしい美談の母親と同じにさえ見える。
ずいぶんめんどくさい環境を選んで生まれてきたものだと思う。
レイさんの話はこれで終わりだが、
「はなちゃんのみそ汁」についてもう一つ。
とてもいい話だと思うのだが、
もし、私が5歳のときに私の母がこの映画でも見たとしたら、
「はなちゃんは、あんなに偉いのに、クララは……」
と間違いなく口にしたと思う。
そんな風に言われて、自己肯定感を下げる子供がいないといいけど……と少し懸念している。