小さい時から皆に大事にされてきたあなたへ、皆を裏切らない様に努力したあなたへ、労いの言葉を送ります。

 

 大事にしてくれる人に心配掛けたくなくて、本当に酷い嫌がらせにも耐えて来たよね。

その期間が余りにも永過ぎて、自分の本当の意思は二の次になってしまった。周りの意見や都合に合わせてしまうのが普通になってしまっていた。

 同じ屋根の下に常軌を逸した人間が居て、他の家族を傷付けるのが腹立たしくて、一番小さいのに矢面に立って戦ったよね。

 思春期に入浴さへ制限されて、友人との交流もままならない程に干渉されていたよね。家の中にいつも硫黄のような瘴気が漂っていたのを、あなた以外の家族は気が付かない振りをしていたよね。

 

 あなたが矢面に立っているのを、見て見ぬ振りをしてしまったよね。

だって、その方が皆は楽だもの。

 

 家に取り憑いた『負』の連鎖をあなたは断ち切ろうとした。だけれど、あなた以外は誰も戦おうとしなかった。

あなたに『我儘で自分がなんでも決めたがる』と言う偽りのラベルを貼った人間は、それで刹那の利益を得たけれど、長い人生の間に、しっかりと正しい収支決算書が送られたようですよ。

 

 あなたが居なく成れば、家の中はガタガタになると予言されていたのに誰もあなたの席を作らなかった。

まあ、仕方がない。そもそも生家に縁のない星があったから。それと皆恐れていたのだと思うよ。あなたが家に残ったら、皆は何時までも「なあなあ」で生きていけなくなるから。

 

 あなたには生地を離れる事で、自分の人生を大きくする兆しもあったから大きな流れでみれば、「なるようにしかならなかった」とも言える。誰一人として縁故の無い土地に嫁いだあなたは、どんな苦境も気に成らなかったよね。

 

 あなたが生家を出て何年もしない内に、家族はバラバラになって只同じ家に住んで同じ仕事をして居るだけになってしまったね。最後には家も仕事も御破算でお願いします!になってしまった。

 

 あなたは只黙って親を守ろうとしていた。色々と有ったけれど誰もあなたのしてきた事に気が付かない振りをして、感謝の言葉も無かったね。あなたは腹は立てたけれど、責める事はしなかった。だって、同じ屋根の下に住んでるわけじゃ無い。用事が終われば帰るだけだから。いつも一番メンドクサイ処を片づけていた。でも、それは何時の間にか自分達が片付けた事に脳内変換されてしまった。それでもあなたは顔色も変えずに、流していたね。そして、最近は昔の様にあなたが一人で『丸抱え』では無くて、自力で努力する事を相手に教えられるようになった。そう、『他人軸』では無く『自分軸』であなたは考え、行動出来るように成った。

 

 よく頑張ったよ。よくやったよ。

 

 さあ、ようやく『自分軸』で生きる事を思い出したあなたが、思いのままに生きる時間がやって来た。誰に指令されることも無く、自分の欲しいものを探して何処までも歩いて行っていいんだから!いっそのこと、馬に乗って行くか?いやいや、最新のSUVで突っ走っても良いんだからねw

 

 鯉が泳いでいるのを見るのが好き。でも御魚さんとは馬が合わないらしくて、何回も失敗して御魚さんが可哀想な事になってしまう。自分のものにしないで、こうやって泳いでいるのを観るだけにしよう。