紙本に描かれた肉筆浮世絵の美人画になります。
落款はないので作者不明となります。
掛軸になっている作品ですが、やはり痛みの跡が多く見られます。
現在はこの状態ですが、表装を直す前は結構たくさんの穴が開いていたようで、苦労して直した跡が上部と下部に見られます。
簪の挿し方から上方の美人だと思われます。
傘を閉じていますから雨上がりなのでしょうか、急に風が吹いて来たのでしょうか裾がめくれて足が覗いています。
こうしたチラリとした露出の美人画の事を、「あぶな絵」と呼んでいます。
春画が禁止された後に生まれた、江戸時代の浮世絵の様式のひとつです。
男のスケベ心を微妙に刺激する行水姿、湯上りのしどけない浴衣姿。
突風や子供、猫、猿などの悪戯によって着物の裾が乱れて内股の近くまで肌が覗いているような絵。
髪洗、足の爪切りなどで上半身や脛などがあらわになっている絵などが多くみられます。