江戸時代の和本になりますが、題名が欠けているので、「會要 土佐部」としか読めません。

何とか調べて画史会要(がしかいよう)という本だと分かりました。

作者は大岡春卜 出版年不明となっていましたが、本の中に寛延4年(1751年)とかいてあったので、この年に近い頃だと思われます。

 

巻一 唐漢の部、 巻二 明清の部、 巻三 雪狩両家の部、 巻四 土佐の部

巻五 当世の部、 巻六 雜の部

全 6巻で私の持っているのは巻四 土佐の部で大和絵の土佐派の作品を載せているようです。

 

絵手本としてでしょうか、絵の諸派ごとに分類集成した書物のようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

作者の大岡春卜(おおおか しゅんぼく)1680年~1763年

大阪で活躍していた狩野派の絵師。

マンネリ化し停滞気味の狩野派をよそに大胆な構図と個性豊かな筆致で作品を画き、高い評価を得ていたそうです。

 

また冊子の挿絵を得意とし、庶民からも人気だったそうです。

また伊藤若冲は、春教と号していた初期に春卜の絵手本から学んでおり、春卜の弟子だったとも言われているそうです。

 

狩野派の絵師でも浮世絵師のように挿絵を描いていたんですね。

 

 

 

 

 

浮世絵師又平筆として寛永美人の舞踊図を載せていますが、この時代は浮世又平の作だと考えられていたのでしょうか。

浮世又平は浮世絵の祖と言われている人物で、岩佐又兵衛と同一人物とする見方もありますが、良く分かっていないと言うのが現状でしょうか。

しかし土佐の部に載っているのですから、この時代は土佐派から出た絵師と思われていたのかもしれません。

 

 

以前の記事で寛永美人の舞踊図について書いたので、興味のある方は浮世絵誕生する前の美人画-舞踊図

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土佐派の絵師の作品ですが、ほとんど浮世絵と言ってもいいほど風俗画が多いようです。

この本が出た頃は、まだ鈴木春信が浮世絵師デビューする前ですから、木版多色摺りが発明される前です。

土佐派の風俗画が浮世絵師達に少なからず影響を与えたのが推測できますね。