おはようございます。

今日は11時から仕事で、ちょっと時間に余裕があったので

今のうちに日記の更新しちゃいます。


GWに予てから考えてたブログのリフォームをするにあたり

せっかくたくさんの小説を読んでるんだし

これからは、小説やBLCDのレビューも頑張って書いていこう!ってことで

初めてきちんとレビューを書いてみました。

後日リフォーム時に書庫もいじる予定なので

この記事も移動することになると思いますのでご了承くださいませ。
(そしてその際、ここまでの文章も削除予定です)





☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆





冗談のつもりで書いた一通の手紙。その手紙に返事が来たことをきっかけに高校生の里見浩一は年上に男と付き合うことなってしまった。本当の年齢も職業も隠し、そして相手の嘘にも気づかない振りで――。嘘で固めた付き合いを続ける二人は、それでも不思議と惹かれあっていく。しかし、たくさんの「嘘」がお互いにばれてしまい・・・・・・!?

ほんと、ダメな男を書かせたら、この人の右に出る人はいないですね。

ダサい服装、オドオドした態度、でも相手に気を使わせないようにする優しい男・高橋。。。

そして、そんなダサダサの10歳も年上の男にどんどん惹かれていく浩一の心の変化が

とても急激なんだけど、不自然じゃなくて

浩一視点で書かれていることもあって

読んでるこっちまで狂おしい気持ちになってきてしまいます。


「興味本位」から恋に発展するお話は、昨年発売された「美しいこと」と重なりますが

この作品が、木原さんの商業誌デビュー作ということを考えると

木原さんのお話の原点がここにあるのかな?と思える作品です。


後半の、浩一の嘘がバレた後の高橋の態度の変化は

常識的に考えると、未成年との交際にモラルの欠如を感じて?と考えてしまいますが

そこはさすが木原さん。

そんなモラルとか常識なんて関係ない、もっと人間臭い理由が存在するあたり

この人の描く愛って、すごくリアルですごくみっともなくて、すごく純粋。

そこに、多くの読者が共感を覚えたり、逆に反感を持ったり

心の奥の痛い部分をつつかれて

いつの間にか物語の世界へ引き込まれていくんじゃないでしょうか。



同時収録の『冬日』は

2人が出会ってから8年後のお話です。

人として成長した浩一と

相変わらず大人しい、しかし、浩一に愛されることで少しだけ変わった高橋の様子に

ほんわかあったかいものを感じることの出来る作品です。


同じく同時収録の『春の嵐』は

浩一の幼馴染で親友の柿本視点のお話。

『冬日』から更に2年後のお話で

17歳の時に年上の男を好きになってしまった親友に戸惑いや不快感を覚えつつも

10年経った今でも親友を続けている柿本からみた2人の話かと思っていたら

柿本本人の恋愛の話でした。

木原さんお得意の、もやもやした気持ちの残るラストで

その先の柿本がどうなっていくかをどう想像するかで

かなりイメージの変わってくる作品だと思います。


ちなみに、眠る兎が書かれたのは1995年なので

本編には携帯電話は登場しません。

出会いも、ゲイ雑誌の文通相手募集ページだったりします。

でも、それが逆に物語に大きく影響しています。

95年当時に既に大人だった人が読めば、自然と当時にタイムスリップできるでしょう。

ただ、携帯電話が当たり前の世代の人が読んだらどう感じるのか?

内容自体はまったく古さを感じませんが、多少の違和感を感じるんでしょうか。。。



ハードではないけど、ちゃんと木原作品の持つ“痛み”も感じる事の出来る

木原作品入門にオススメ出来る1冊です。