僕は白鬼院 凛々蝶。
来月からメゾン・ド・章樫へ入居する。
やっと一人になれる。
そう思うと安堵感すら生まれる。
「お姉ちゃん、本当に出てくの…?」
突然妹が部屋に入ってきた。
何とも珍しい事である。
「あ…そうだよ…」
あまり妹と会話したことが無い。
だから、その後の言葉が続かない。
「そっか…」
そう言って妹は部屋を出て行った。
姉妹なのにとても変な気持ちだ。
家族って何なんだろう。
いや、それは考えてはいけないものだ。
そう、先祖返りなんて
家族はいないも同然なのだから。
やはり早く一人になりたい。
そう思いながら荷造りを始めた。
そして一ヶ月が経った。
僕が実家を出て行く日だ。
「凛々蝶、元気でね。」
「お父様、お母様もお元気で…。」
ぎこちない挨拶を終え、
車に乗り込もうとした時だった。
「お姉ちゃん、これ!!」
そう言うと妹は手紙を差し出してきた。
「ありがとう…」
そうして僕は車に乗り込んだ。
そして手紙を読んだ。
お姉ちゃんへ
初めて手紙出します。
私はお姉ちゃんの事をあまり知りません。
姉妹なのにあまり会話も出来なかった。
でも、
お姉ちゃんは暖かい人だと私は思います。
先祖返りであろうとなかろうと
お姉ちゃんは私の大切なお姉ちゃんです。
どうか、
お身体に気をつけてお過ごしください。
僕はその手紙を見ながら
しばらく涙した。
妹は僕の大切な妹、家族だ…!!
妹に恥じぬよう生きていこう。
