樫の木蒸留所 の低温真空蒸留機を使い、ティーツリーの「花と葉」、そして「木部チップ」をそれぞれ分けて蒸留しました。

 

同じティーツリーでも、部位によって香りの印象が驚くほど異なり、とても興味深い体験になりました。

花と葉を蒸留した香り

まずは、花と葉を一緒に蒸留。

立ち上がりから感じたのは、ティーツリーらしい爽快感。
すっと抜けるような清涼感がありながら、そこに花由来のやわらかな華やかさが重なっていました。

一般的にティーツリーというと、シャープでクリーンな印象を思い浮かべることが多いですが、花が加わることで香りに丸みが生まれ、軽やかで繊細な表情を感じます。

低温真空蒸留だからこそ、熱で飛びやすい花のニュアンスまで丁寧に引き出せたのかもしれません。

 

 

木部チップを蒸留した香り

次に、蒸留後の木部をチップ状に加工し、別で蒸留しました。

こちらは一転して、木の存在感が際立つ香り。

乾いた木質感の奥に、ほんのりとティーツリー精油を思わせる香りが漂い、落ち着きと深みを感じます。

花と葉の蒸留が“軽やかで広がる香り”だとすると、木部チップは“静かに残る香り”。

同じ植物から採れたとは思えないほど、香りの個性に違いがありました。

部位によって変わる、植物の表情

今回の蒸留を通して改めて感じたのは、植物は部位ごとにまったく違う表情を持っているということ。

葉や花は外へ向かう香り。
木部は内側へ沈み込むような香り。

それぞれに役割があり、それぞれに魅力があります。

低温真空蒸留は、その繊細な違いを丁寧にすくい上げてくれる方法だと感じました。