好きなことをして生きるのが一番だ、という人生観の盲点を暴く【仏教の教え】 | 仏教講師の菊谷隆太が『人生の目的』を親鸞とブッダの言葉で示すブログ

仏教講師の菊谷隆太が『人生の目的』を親鸞とブッダの言葉で示すブログ

『なんで生きているんだろう?』とつぶやきがもれるあなたに、わかりやすく釈迦の答えを示します。無料メール講座が好評です。受講者3000人。深い内容まで切り込みます。

私よりもう一つ前の世代の人なら誰でも知っている、南こうせつの『神田川』も、愛別離苦が歌詞に綴られています。
神田川のほとり、三畳一間のアパートで若い男女で同棲しているのですが、その女心を歌ったものです。



なんといってもあのフレーズ「若かったあのころ 何も怖くなかった ただあなたのやさしさが怖かった♪」 
ここが白眉だと思います。
「若かったあのころ 何も怖くなかった」
何も怖くない、と言い切る彼女の強さはどこから来るのでしょうか。
留年も怖くない。中傷も怖くない。親から勘当されるのも怖くない。
なぜ怖くないのか。
それは「あなた」がいるから。



「ただあなたのやさしさが怖かった」
(ただひとつ怖いのは、あなたの一挙手一投足だった)
ということでしょう。
「あなた」という支えがあるなら、あとは何も望みません。
貧乏でもいい。友達がいなくてもいい。
親からあきれられたっていい。怖くない。
あなたがいるからです。



そんなすっかり身をゆだねる心情が深ければ深いほど、その支えを失った時の悲しみや苦しみは、言葉にできません。
だからこそ「あなたのやさしさがこわかった」あなたの心変わりがこわかった、あなたの表情や態度にびくびくしていました、ということでしょう。



どんな幸せも続かない、一朝の夢、一夕の幻、線香花火のようにはかないものとわかるから、それを予感して、愛している人と一緒にいる最中から、心からの安心ができず、恐れおののき続けている、そんな存在が私たちだと仏教では説かれます。