この時期になるとJの理事会などで騒がしい時期に差し掛かります。というのも来季のクラブライセンス判定の結果が公表されるからです。

クラブライセンスとはFIFAやAFCによって求められているもので、国内独自のルールではございません。たまに某リーグのチームのスタジアム規模が小さいのにトップカテゴリにいるじゃないかということによる比較をされることはありますが、原則外のチームというわけです。こうした事情についてはリーグ側がある程度の基準をもって緩和することは可能だと思われます。とはいえ、どう線引きしたらいいか難しいところなので。

今回の発表についてはJ1・J2の発表となっています。第三者機関であるFIBがライセンスの判定を行います。なお、J3のライセンスについては国内基準となっていますので、リーグ側で判定を行います。この結果は来月下旬に発表されることになります。

 

 

今季の交付状況については上記サイトのとおりとなりました。

昨季からの変更点ですが、FC大阪(昨季はJ3ライセンス)のJ2ライセンス交付となりました。J1ライセンスが49チーム、J2ライセンスが11チームとなり、現在J3以上に所属する計60チームすべてがJ2以上のライセンスを取得することとなりました。これによりJ2とJ3の入れ替えは強制的に発生することが決まりました。同じくJ2のチームもすべてJ1ライセンスを取得しましたので、こちらもライセンスによる降格回避というのは不可能となりました。

 

 

引き続き課題となってくるのはスタジアム要件です。スタジアム要件も過去と比べると進化している分、それに対応できないところもでてきています。屋根カバー率については26チームが制裁の対象(改善策、構想の提出)となっています。しかしながら、豪雪や台風によって屋根が壊れる可能性が近年の日本において大きな課題となっているなか、自然環境と共生できる技術的な提供も求められますね。

今年はそこまでスタジアム問題で波風が立ちませんでした。昨年の段階でいうと鹿児島や岩手、秋田あたりが新スタの構想を具体化していかねばライセンス取り消しもあり得るという通告もあって、チームと自治体などがかなり揺らいだわけですが、今年は相変わらず候補地の選定ニュースは出るんですが、具体的な動きに進展するケースを見ぬまま終わってしまいそうです。もちろん、新スタ計画が進んだチームもあって山形が計画・候補地の決定まで進み、あとは建設を進めていけるかというところまできています。すでにこの件は別途記事にしているので参照してください。

 

 

なお、今年については昨年までJ3ライセンスを新規で取得するチームについての進捗状況も同時発表がありましたが、執筆段階で話ということで来月にまとめて発表されることになるんじゃないでしょうか。おそらくですが、昨年より増えることはあっても減ることはなさそうですし、特にJリーグに新規入会するチームは今まで努力目標だった観客動員も満たさなければライセンスは通さないという方針になりました。これによりJFL首位の高知ユナイテッドは大規模な動員計画を行っている状況です。残りのホームも大規模動員が可能となっている春野で開催するなど昇格への本気度がうかがえます。上位チームを見てもライセンスなしのチームが少なく、今季は少なくとも1チームが2位以内(入替戦以上)に入る可能性は高そうです。JFLの終盤戦の動きにも注目ですね。

↓発表されましたね。おそらくは見落としです。

 

 

今回新たに栃木シティがJ3ライセンスを取得しました。観客動員やチケット収入、成績といった入会条件をクリアすればJ3入りの可能性があります。今季でいうとトップ5のうちホンダを除いてJ3ライセンスを取得したことにより、入れ替えが発生する確率はかなり上がりました。

 

 

波風が立たぬまま今季のライセンス判定については終了となりました。財務面や施設面で是正通達や注意が与えられているチームについては来季に向けて予断を許さない状況かもしれません。ですから、引き続きJのクラブとしてふさわしい体制づくりが望まれます。