甲府は篠田善之監督との契約解除、および大塚真司ヘッドコーチの監督就任を発表しました。

チームとしては22節終了時点で勝ち点25の14位と低迷。昇格POはおろか下位チームが復調の兆しを見せるなか、残留争いも考えねばならない状況となっています。特にここ8試合勝ちなしと低迷が続いており、こうなってもやむなしの結果になっているのではないでしょうか。

 

 

まず、今季の甲府の難しさとしては秋春となったACLの後半戦を戦うところからスタートしました。J2クラブがACLを戦うのもかなりレアとなっていて難しいシーズンとなりました。それは昨季も一緒で、吉田達磨氏の後任監督で難儀し、地元出身である篠田監督就任にこぎつけたところから昨季がスタートしました。昨季は難しい状況を理解しながら、うまく戦力をまとめ上げ、最終的にPOには届きませんでしたが、健闘したといえる出来だったと思います。今季は開幕が早くなったこともあり、早めの調整をしながらということもあってか、開幕当初は好調でした。しかし、徐々にではありますがペースダウンし、その後は不調が続いています。これはACL後半を戦ったチームが共通して抱えている課題なんですけど、怪我人の多さによりまともなメンバーを組めないことが大きな課題となっています。GKに関しては3人制を敷いておきながら、ファースト・セカンドをともに怪我で欠く時期もありました。チームの構築というわけにはいきませんでした。

あと、チームとしても前線に外国籍選手を並べるという銀河系的な強化により、チームバランスが悪化。得点も多いんですが、失点も多いというアンバランスなチームとなっています。

監督というより編成面とスケジュールに足を引っ張られましたね。何かを変えようにも戦力的にはやや後ろで怪我人が多くなっているのでそこを是正すること、一発のある外国籍選手の起用制限あたりしか有効な策が思いつかない状況となっています。

 

 

後任となるのが大塚コーチですが、最近S級が下りた方となっています。少し凝り固まっているであろう選手起用をいかに是正できるかですね。あとは怪我人がどれくらい戻ってくるのか。これはACLに参戦するチームはどこも課題となっています。

あと、甲府についてですが、戦力的にもJ2ではそれなりの選手を抱えているチームです。昨季はキャプテンだった須貝が夏の市場で抜かれました。おそらく選手たちはACLという魅力があるからこそ残ったという選手がいるでしょうから、今夏、そして来冬と引き抜きに怯えながらの編成となります。編成としてはめちゃくちゃ難しい状況のなか、フロントの最善策が求められます。

 

 

仕方ないかなというのはありますけど、篠田監督の功績としてはきちんと評価すべきでしょう。監督としては戦力を与えすぎても駄目だし、逆に限りある戦力を料理するのは優秀だし。特性を考えると篠田監督は需要がありそうですが、果たして。

甲府としてはまずはチームの立て直し、そしてできればPO争いができるチームにまで状態を戻すことが目標となりそうです。