いつもより試合数が多かった今季のJ1の前半戦。ペースとしてはいつも通りですが、リーグ戦の試合数が増えたわけで、ミッドウィークの試合も昨季と比べると多めだった印象です。ルヴァンが減った分と考えればいいんですけど、ルヴァンは基本的にターンオーバーするチームも多いので、レギュラーメンバーが酷使されたんじゃないかと危惧しています。怪我人は多いのか少ないのかは知りませんし、むしろ試合数よりもスポーツ全体で人間の限界を超えようとした強度でやろうとして、怪我人を出しすぎているんじゃないかと私は考えています。

今週はJ1の前半戦総括をやっていくわけですが、ひとつ大きなネックとなるポイントがあって、水曜日に試合があります。その水曜日次第で順位が入れ替わるため、今回書いたことが変わってしまう可能性もあるわけです。3日(水曜日は深夜更新することにします)で振り返り、あとは展望を書くという形を予定しています。

限られた時間でやるので、さっさと始めていきます。

 

 

まずは順位表を見ていきます。

 

 

マリノスがACL決勝進出した影響で、試合数が整っていませんので暫定となっています。

綺麗に分かれたんじゃないでしょうか。1~3位までで優勝争い、4~8位でそこについていきたいチーム、9~12位で残留争いは回避できているチーム、13~16位で一歩間違えれば危ないチーム、それ以下で残留争いといった形になっています。

 

 

煮え切らない昨季上位チーム

昨季初優勝を果たした神戸ですが、今季はここまで4位。上位争いにつけてはいますが、昨季ほどの絶対的な強さはありません。しかし、チームが隔年で上昇と下落を続けていることを考えるとこの位置は悪くないのかもしれません。優勝ブランドで一気にいくかと思いましたが、そうでもないというのが実情のようです。レギュラーの質は高いんですけど、サブは補強しても質が上がりきらないということでしょうか。

もっと苦しんでいるのがマリノスでしょう。ここまで二桁順位。監督交代、ACLに伴う過密日程もありました。強度や守備の整理の部分でどうなのか。今季1年は結果より、自分たちを見つめ直すことになりそうです。

広島は序盤好調から落ちてきました。夏の市場で選手が出ていく一方で、カバーできるかが問われます。補強もそれなりに手厚いオフでしたし、何より新スタ元年。ここから巻き返せるでしょうか。

 

 

絶好調昇格チーム

一方で昨季J2で過ごしてきたチームは軒並み好調といえる前半を過ごしたのではないでしょうか。町田が数字としては抜きんでていたとはいえ、他の昇格2チームの勝ち点水準は22チーム制時代最悪クラスでしたが、その懸念を払拭する前半でした。

特に町田は首位につけました。批判も多いんですけど、サッカーとは何かを突き詰めていますね。後半はアジャストしてくるチームも多いなかで、力を発揮しきれるかでしょう。

ヴェルディは負けないチームでトップハーフ入りとなっています。かつて甲府においても同じように資金力の限られたチームで成果を残してきた城福監督ですから、お手の物なのかもしれませんね。磐田はかろうじて1試合平均での勝ち点1をキープ。大きく状態を落としていないのは大きいんじゃないでしょうか。

 

 

昨季後半からの流れと補強の失敗 下位チーム

17位以下がおそらく残留争いの主役となるでしょう。そのなかで見えるのが昨季後半の低迷です。昨季も柏がその前のシーズン後半戦勝ててなくて、結局残留争いとなり、監督交代を行い、最悪の事態を免れましたが、今季は降格枠も増えました。その悪い流れを引き継ぐという形で鳥栖と札幌。ここ最近は決して規模的には大きくないなかでもJ1に在籍し続けていますが、今季は苦しい戦いになっています。残留争いの経験が少ないチームを巻き込んでしまえば、最後逃げきれる(残留できる)算段なんでしょうけど、経験の浅いチームがそこまで下位に多くない現状を考えると他力よりも自力というところになってきます。鳥栖と札幌の場合、資金、予算もありますが、債務超過という問題もありますので、大型補強が難しい(札幌の場合、監督を切ろうにも違約金が高すぎて不可能な模様)課題に向き合いながら後半立て直していく必要があります。

湘南は例年通りの前半不調なんですよね。なんならチームとしては毎年のように抜けていくストライカー問題をクリアしているにもかかわらず、前半の勝ち点ペースが上がってこないという問題。

サンガは完全に補強を見誤りましたね。この戦力でむしろ好成績を残せる監督が希少でしょうし、そもそも過去の実績からして良監督を引き当てる可能性も少ないでしょうから。近年実績をあげたJ実績組の外国人を新規獲得しなかった謎ですね。これをやらない限り、どうにもならんと思っています(Jリーグで外国籍選手を即アジャストさせるのが難しくなってきているのもあります)。

 

 

監督交代はなし

J2ではボトムズに目立っていた監督交代が前半ではありませんでした。監督に責任を問うべきチームがいくつかあるなかで、これはかなり異例ともいえる状況です。

なぜかというのは簡単で外部に資金と相談しながらJで確実に成績をあげられる方がフリーでほぼいないからです。カテゴリを下げるならなんとかなりそうな方はいますけど、ましてやJ経験に乏しい新人とか外国籍指揮官にするとそもそも戦えないリスクが高いですからね。勝たせられる監督って本当に少ないんですよ。

 

 

売上から

 

 

おまけ的な資料を載せておきます。3月決算の2チームを除いての一覧です。資料はJリーグの資料からスクショしたものを掲載しています。

参照 https://aboutj.jleague.jp/corporate/assets/pdf/club_info/club_doc-2023.pdf

 

40億あたりで壁ができつつあって、そこを突き抜けていかないと残留争いが定位置でもやむを得ない(50億クラブでトップハーフじゃないのはJ2にいる清水だけ)というわけです。Jリーグの予算規模はどんどん膨れ上がるなか、それにアジャストしていけるか。できないなら知恵でなんとかやっていくしかありません。J2にいたチームが次の決算でどれだけ売上を上昇させているかですね。首都圏クラブのメリットが出てくると思います。人事的にも、特にスタッフが東京近郊に住まいがあって、そうした方が通いながら仕事をするのであればそれだけで人を集めやすくなりますから。

 

 

次回からは階層ごとに見ていきます。