WEリーグ3シーズンめが終了しました。今季からセレッソが加わり、12チームとなりどこかが試合なしという状況から抜け出せたのは収穫ではないでしょうか。もちろん、WEアクションデーはそれ相応に収穫はあったと思いますが、試合があってもできますし、なんならサッカーは基本土日のどちらかにしか試合をしないわけで、別日に普及などの活動を行えばできるわけです。別に普及活動は学校に行くことでもできますから、平日だって可能です。そのために多くの選手の身分をプロにしたんでしょうし(アマチュアであっても出張扱いにすれば、平日であっても社業以外の活動は可能なはずです。実際のところ実業団スポーツでやっていることです)。

 

 

まず、今季のスタートとして忘れられているところではありますが、W杯での躍進、それでもベスト8でしたが、優勝したスペインに勝つなど、世界が見えた大会でした。そういや配信・中継が直前まで決まらないという近年のスポーツ業界とメディアを取り巻く状況にありがちな光景で揉めましたね。ただ、これによる好況を取り入れることができませんでした。スケジューリングによるところが大きいですかね。というのもW杯が8月、シーズンスタートが11月だったからです。9・10月に開幕していましたが、3シーズンめはまたしても1ヶ月ズレにより、期間が空いてしまいました。主因としてはW杯の後にオリンピック予選、さらにはアジア大会によってリーグ戦の開幕ができなかったことが理由としては考えられます。

特需をほとんど取り込めませんでした。リーグ戦開幕前にカップ戦をやっているわけですが、この時期に集中開催させる意味はあるのかということなんですよね。正直なところ、ウィンターブレイクが長いので、その間にぶち込めばいいわけです。その代わりホームゲームができないエリアもあるので、避寒地でやるとか工夫は必要だと思いますが。

話はそれますけど、まさに女子サッカーの課題といえるのがホームアンドアウェイを厳格にやることによって、見る人を特定エリアにとどめておいていいのかということだと考えています。Jリーグがホームアンドアウェイで開催できる理由は著しく空白県が少ないからです。地方にいる子どもはサッカーしなくていいよという方針なら見る(触れる)機会を与えないというのは分からなくもないんですけど、普及させたいんだったらそれ触れる機会は確保すべきだと思います。その機会として各都道府県協会ではプロ(もしくは全国レベルで戦うレベルの)クラブをつくれというのは無理な話です。トップ主導で各都道府県に全国リーグ参戦可能なチームをひとつ以上こしらえさせるのか、空白県は責任を持ってまわるのか。ちなみにソフトボールは後者の立場をとろうとしています(実際のところ、地元との結びつき優先で地方開催(ツアーシリーズ)は減っているように思うんですが)。

とりあえず、カップ戦については決勝を全国中継(BSだったと思いますが)ができましたし、代表戦もほぼ配信やテレビ放映などで触れる機会の確保という点では収穫かなと思います。特に代表関係でいうと川澄選手がJFAの理事に選出されました。現役選手がここに入るのは異例の形でもありますが、現場目線でもっと見てほしいとか、普及させたいという思いの強い方を入れたのは正解だと思います。

開幕がずれ込んだ影響は他にもあって、ミッドウィークの試合が増えたことです。これによる観客は多少なりとも減ったでしょう。もちろん、年数回敢えてのミッドウィーク開催はやってもいいんですけど。Aマッチウィークのタイミングでカップ戦をやるとか、リーグ戦ができるタイミングをしっかり確保すべきですね。リーグカップとか皇后杯が犠牲になっても仕方ないという覚悟で各チームに強化してもらいたいです。

 

 

さて、3シーズンを終えることができました。観客数というある種、わけの分からない目標が先走りしてしまい、失敗のイメージを着せられているように思いますが、おおよそ悪くないかなと思います。私自身、ラグビーの試合も観にいったんですけど、圧倒的に球技場(トラックなし)で観る方がいいなと思いました。実際のところ、広島は新スタジアム効果が出て、動員数はトップ(チケ収は知りませんが)となりました。同じく専グラを本拠地としたセレッソがそれに続いたのを考えると、観る環境をプロである以上は責任をもってレベルアップに取り組んでほしいですし、専グラのあるエリアに働きかけるのも策としてはやってもいいんじゃないかと考えています。

一応、リーグとしてはエキスパンション方式を採るということが明記されていますが、新シーズンにおいて新規加入の審査そのものを行わなかったっぽいので、しばらくはこのままということになると思います。ただし、リーグの活性化としては競争環境の固定化を防ぐ取り組みはした方がいいと考えています。サッカーでいうとイングランドプレミアリーグが面白いのはトップ争いできるチームが他のヨーロッパ主要クラブと比べて多いからです。Jリーグもそれに近いリーグなので、レベルのわりに面白い(当事者としてはヒリヒリする)ものになっています。

あと、気になったポイントとしてはオフもシーズン中もなんですけど、海外移籍が増えてないかという問題です。正直なところ、リーグレベルが安定しない数年間は流出があるという覚悟はしているんですけど(私の見解であり、リーグとしてどう考えているのかは知りません)。移籍金ビジネスができるわけではなさそうですし、流出対策というのはJFA主導になるとは思いますが、しっかりやらねばなりません。あきらめて育成リーグにするのも正解だと思いますし、トップレベルを目指すなら、流出に見合う流入もあっていいんじゃないかと思います。

 

 

本来であれば今季の戦いの振り返りをやりたかったんですけど、気づけばこんな分量になったので、終了します。次回アップは未定です。週明けはミッドウィークゲームとJ1前半戦総括で忙しいので。